第5話 魔法の修行
シロからスパルタ訓練を受けた悠哉とリナは基礎的な魔法であれば使えるようになっていた。
シロ「これまではBクラス生の魔法、今日からはAクラスになる為の魔法を教える」
悠哉「具体的にはなにをすれば」
シロ「ひとまず、魔法バトルかな」
悠哉「魔法バトルって?」
シロ「私とリナがするから見てな」
リナ「今日は……」
シロ「いいから」
リナとシロが向かい合って魔法を打ち合っているのは、魔法バトルと呼ばれている物である。
クラス分けテストや魔物退治などに使われている魔法使いの勝負である。
シロが優勢だと思われたが、リナの風魔法によりリナの勝利となったが。
リナ「勝った」
リナは安心したのか、その場で倒れてしまった。
原因がわからないシロはリアを連れてくるようにと悠哉に頼む。
シロ「私のせいで」
シロは過去にも魔法使いを教育したことがあったが、スパルタ教育のせいで魔法使いが倒れてしまうことがあった。
その結果、Cクラスに落第した生徒は自主退学をするようになったのである。
リア「リナは?」
シロ「熱があるようです。」
悠哉「まさか」
リア「呪いの影響だろうな、悠哉、リナを家まで頼む」
悠哉「はい」
シロ「すみません」
リア「リナの呪いについて話していなかった僕が悪いんだ」
シロ「首の回りにある?」
リア「ああ、その影響で魔力を出しすぎると倒れてしまう」
シロ「私、リナの様子を見てきます」
リア「僕は理事長に報告してから帰るよ」
悠哉はリナを連れて帰り、ベッドに寝かせた。
リナの首回りが腫れていることに気づく。
シロに教わった白魔術を使おうとしても治らない。
どうしようかと悩んでいると、リアが帰ってきた。
リア「リナの様子は?」
悠哉「首回りが腫れていて、熱が出ています。」
シロ「私に任せてください」
シロが白魔術を使うと、リナの首回りの腫れが治っていった。
悠哉「なんで?」
シロ「白魔術の応用です。黒魔術の反対呪文を唱えると呪いの効果が少なくなります。」
黒魔術とは、使った物の寿命と引き換えに出せる強力な魔法のことで、主に魔物が使っている。
リア「2人ともありがとう、修行で疲れているだろうし休みな」
シロ「はい」
それから3日経ってもリナが目覚めることはなかった。
悠哉とシロは魔法の修行を続ける。
悠哉「試験まで残り2か月か」
シロ「基礎訓練は完璧だから、応用編を仕上げないと」
悠哉「目覚めるといいね、リナ」
シロ「大丈夫よ、リナなら」
そこに理事長がやってきた。
理事長「順調そうじゃない」
シロ「はい、基礎訓練は完璧です」
悠哉「理事長がどうして?」
理事長「リアが勧める生徒が気になってね」
シロ「リアさんなら、今日は来ていませんが」
理事長「リナの世話かい?」
悠哉「はい、1日中側にいると」
理事長「そうかい、貴重な情報ありがとう。明日もリアが来てなかったら報告を頼む」
シロ「わかりました」
悠哉がリナの部屋に入ると、落ち込んでいるリアがいた。
悠哉「ただいま戻りました」
リア「おかえり」
悠哉「リアさん、休んでください。」
リア「リナが目覚めたら休むよ」
悠哉「そうですか」
リアにかける言葉が見つからず、悠哉は魔法の復習をしようとしていると、リナが目覚めた。
リア「リナ、わかるか。」
リナ「お兄ちゃん、ごめんなさい。リアが悪いの」
リア「リナは悪くないから、兄ちゃんが悪いから」
リナ「悠哉、明日から修行に参加するから」
悠哉「でも、休んだほうが」
リナ「3日間も休んだ、残り2か月でAクラスになれる実力をつけないと」
リナは焦っていた、Aクラスにならないと、外出許可が出ないかつ、クラス分けテストで不合格だと、学園都市エステルで退学処分になるからである。
リア「わかった、その代わり体調に変化があったらすぐに伝えること、いいね?」
リナ「はい」
こうして、悠哉とリナはAクラスになる為に修行を積み重ね、クラス分けテストに挑むのであった。
転生受験生と見習い魔法使いの異世界冒険物語 マリン @kukimari
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