野菜の日記

迷惑大学生

野菜と申します。

野菜という名前は、本名をもじっている。

野菜は、現在大学周辺に家を借りて一人暮らしをしている。

しかし、大学周辺に家を借りた自身の決断を後悔している。

その理由は、騒音である。

もちろん、言わずもがな大学に近い地域ということは、大学生が多く住んでいる地域ということになる。

大学の近くということは朝から夕方までは、大学に向かう人や大学から帰る人などで賑わい、騒音が起こることは想定していた。

想定した上で、移動時間や家賃の安さなどを考慮して今の家に決めている。

しかし、野菜の大きな誤算であったのはただ一つ、大学生のモラルの低さである。

野菜の大学が悪いのかもしれないが、夜に酒を飲んだ大学生が騒ぐことは当たり前、道でバーベキューを始める人、夜中の駐車場で素振り練習を集団で始める野球部などなど、一般的な感覚ではあり得ないと思えることを普通にやる人間がかなりの数いる。

さらに、最近は、コロナによる規制が緩められたことで飲み会などが増え、こういった迷惑行為が増えているのが、現状である。

先日は、深夜に酔っ払った大学生が、家の前で大暴れし、自動販売機を壊そうとしていた。

結局、野菜は警察に通報し、その日は寝ることができた。

（通報する前に＃9110にかけて、事前確認を行った上で通報した。）

こういったことが普通に起こる最悪の環境。

それが大学周辺の物件であった。

また、野菜の部屋は2階にあり、部屋がじめじめするのが、苦手なため、常に窓を開けている。

2階で窓を開けているから騒音が大きく聞こえるのではないかと言われるが、うるさくしている人が悪いので、なぜ野菜が責められる必要があるのか、と思ってしまう。

部屋の階数は、エレベーターがなんとなく怖いので2階に決めた。

ある日、野菜が次の日、朝早くより予定があったため、夜の11時ごろにベットに入り、睡眠を取ろうとしていた。

野菜の部屋は、床がフローリング、室内は左の壁際にベットがあるだけで、机などは邪魔なので畳んで置いている。

他の荷物は、本くらいしかないので、実際の間取りより広く見えている。

ベッドに入り、『なんとなく寝れそうだな、、』と感じている時に、変な物音が聞こえてきた。

ペタペタペタペタ、、、

野菜は、『また、大学生が外で何かしてるんだろうな』と思い、気にしないことにした。

おそらく、スリッパか何かの履き物と足の裏がくっつき離れる音だろう。

野菜は、裸足でスリッパを履くとき、いつもこういう音がするので、すぐにピンときた。

ペタペタペタ、、、ペタペタ、、、、ペタペタペタペタペタペタ、、ペタペタペタペタ、、、、、、、、ペタペタペタペタペタ、、

というように足音は歩いたり止まったりを繰り返し、ぐるぐる歩き回っているているようだ。

電話でもしながら歩いてるのか？

そう仮定するのが一番妥当だと感じた。

明日早いから気にせずに寝よう。

寝かけていたことで、頭も回らないので、無視して寝ることにした。

ペタペタペタペタ、、

うるさい、一度気にしてしまったことで少し眠気が覚めてしまった。

しかし、もしも会話まで集中して聞いてしまうと、なおさら寝れなくなってしまいそうなので、耳も傾けないことにした。

ペタペタペタ、、

ペタペタ、、

ペタペタペタペタペタペタペタ、、、

ペタペタペタ、、

ペタペタペタペタペタペタ、、

なんか寝れそうになってきた。

この音も気にせずに寝れそうだ。

もう少しで寝れそうだと思えてきた時に、一つの疑問が頭に浮かんでしまった。

『2階に住んでるとしても足音が部屋まで聞こえるのか？』

初めて足音に集中して耳を澄ませてみた。

『家の中から聞こえてる？』

耳を澄ませてみると外でスリッパを履いた人が歩いている音ではなく、”家のフローリングを裸足で歩く音”だった。

しかも、ベッドの真横で。

まじか、、

眠りにつきそうになっていたはずなのに、眠気もどこかに行ってしまった。

今は、ただ寒気と恐怖だけが込み上げている。

『どうしよう、こういう体験初めてなんだけど』

頭の中で考えをぐるぐる回してみるが、何もいい考えが浮かばない。

なんで家にいるのか。

なんで俺なのか。

なにがしたいのか。

今どういう状況なのか。

見ていいものなのか。

どうやったらいなくなるのか。

無視して寝てはいけないのか。

どう考えても答えは出てこない。

明日も早いのにどうすればいいのか。

色々考えた結果、身体を起こし、足音がする場所を見てみることにした。

このまま寝てる間に襲われる方が、怖いと思ったからである。

ガバッ！！

身体を起こして横を見向いてみた。

そこには何もなかった。

足音もしなくなった。

今から原因を探す気力はなかったので、お笑い芸人さんのラジオを爆音で流すことで、明るい雰囲気に部屋を変え、眠りについた。

野菜