第5話
今度の開店は房子の両親も協力的で、また資金的にも多少の援助をしてくれた。
色々なことが順調に進み2カ月くらいで開店をすることができた。
本屋と駄菓子屋の方は房子が店番をやり、カフェは信夫がやった。本屋のスタイルは以前とは全く違って2人の趣向で品ぞろえした。特に一般書店では扱わない自費出版や個人出版の書籍を積極的に扱った。もちろん売れ筋の雑誌やコミックもとりそろえた。カフェは1人でできるようにカウンターだけの5人掛けにした。いずれはコーヒー豆の焙煎もやり、豆の販売もやる予定だ。開店日はさりげなく静かにオープンした。信夫はお店は徐々に認知されればよいと思い取り立てて宣伝はしなかった。
時間がたつにつれ新たな営業スタイルにも慣れ売り上げも順調に伸びていった。2人の商売の慣れはお客様の慣れにもつながり徐々に固定客が増えていった。
2人は気持ちよく自分たちのペースで商売を続けることができ毎日を明るく過ごすことができた。それはお客さんにも伝わりお客さんも気持ちよく訪れてくれた。徐々にお客さんは増えていって地元の商工ニュースにも取り上げられるようになった。商売の常識では考えられないような場所で営業し、そのユニークさは時々マスコミにも取り上げられようになり、店は2人の想定外の繁盛店になった。
奇跡の本屋 小深純平 @estate4086
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