第7話自作調味料。
「涙は人生の調味料である」と言う格言が無かっただろうか?正直な話、要らない調味料なのだが。
私の年齢ともなると、泣くことはほとんど無くなる。感情が無いわけではないので、笑うことは多い。いつもの散歩コースにある公園で、70歳のご婦人方と笑い合うことも多い。本当は若い女の子さんがいいのだが、まさか1周りも違うご婦人に「貴女を両替して、18歳の少女(既卒)4人になりませんか?」と問いただすわけにもいかず、かと言って「家まで送ってやるから、お礼に2割の14歳少女をよこせ」とも言えないので、馬鹿話でもてなすことにしている。ご婦人方の思い出話には、近所に飛行機が墜落したとか、凄い話があるので飽きない。
そんなコギャル(古いギャル)たちだが、あの年代を舐めてはいけない(舐めたくないが)
戦中戦後の食糧難、物資難を乗り越え、公害や交通戦争を生き抜いた。厚生省推奨値の2倍の塩分を摂取し、炭水化物過多の食事を好み、挙句3人も4人も子を産んで生きている・・・妖怪の類だろう。
いや待て。私の母はとうに鬼籍だが、生きていればあの年代。今度からはもう少し優しくしなければ。なんなら肩ぐらい揉んでもいい。あくまでも「肩」のみだ。
炭水化物を多く食べるには「塩分」が必須であろう。ポテトチップスだって「塩味」が美味いのだから当たり前だ。だが実際のところ、毎月買う調味料に「塩」は入っていない。1回500g入りの袋を買えば1年は持つ。最近では岩塩だとかピンクソルトなどと言うしゃらくさいものもあるが、私は「塩化ナトリウム派」である。
と言うことで、どうにかアイドリングトークから「調味料」の話に繋げることが出来た。私は料理の「コスト」に調味料を算入しない。デフォルトで10円乗せるだけだ。単純な話で、毎月調味料に1000円使うだろうかと言うことだ。1日3食、1か月で90食である。コストを平均化すれば1食あたり10円も乗せればいいだろう。
単純に「買って来る調味料」もあれば、「自作する調味料」もある。今回はそんな「自作調味料」の話。
自作と言っても大したことはしていない。誰でも簡単に作れるものばかり。しかし、あると料理が捗るものがいくつかある。その時々で仕込むモノは変わるが、必ずキッチンにある調味料を3種、紹介しようと思う。
【酢生姜】
コレはご存じの方も多いだろう。スーパーでは真空パックされたものが売っていることもある。結構なお値段がするので自作をお勧めしたい。生姜に「酢」である、実に健康に良さそうでは無いか。
用意するのは100均で売っている蓋つきガラス瓶。あとは生姜とお酢だけである。蓋つきガラス瓶は「広口」のもので、容量は350mlのものがちょうどいい。私はDaisoの品を愛用している。勿論安いからだ。
生姜は「国産の根生姜」で十分である。時期的に「新生姜」が出回るが、アレはあれで他に使いようが沢山ある。国産品でも100円ほどだろう。値上がりしたとて130円を超えることはあるまい。この生姜を綺麗になるまで水洗いする。漬け込むので、汚れが残っていると早く傷むこともある。洗う時に爪先で「汚い部分」を削ってしまおう。突起のガビガビになった部分は包丁で切れば楽だ。あとは薄切りにするだけでいい。1㎜~2㎜ぐらいの薄切りがベストだ。大きさは切り方にもよるが、あまり小さいと使いにくいので、工夫して大き目の切片になるように調整する。薄切りにしたら広口瓶に入れるわけだが、大体100g前後の生姜でいっぱいになる。薄切りにする時に皮を剥かないのが美味しく食べるコツだ。普段、生生姜をすりおろす時も皮を剥かない。香り成分は皮の真下にあるからだ。
薄切り生姜で瓶を満たしたら(ぎゅうぎゅうに押し込んでいい)安い穀物酢を注ぐ。広口瓶いっぱいになるまで注いでしまおう。
このまま冷蔵庫で3日ほど漬けこめば使えるようになるが、日持ちするので慌てずに使えばいい。この「消費期限」に関しては悩ましいものがある。私はレシピなんぞも作るので、「最短」の期限を記載することが多い。なので、この「酢生姜」の場合は、3日漬けこめば使えるようになり、1か月弱で使い切ろうと書くが、我が家の冷蔵庫は庫内温度をギリギリまで下げているので、今入っている酢生姜は2か月以上前に仕込んだものだ。
「調味料」として使うなら、刻んでチャーハンに入れたり、スパゲッティに入れるのも美味い。刻んだ状態で小さじ1もあれば十分だろう。
酢に漬けることで辛味がマイルドになっているので、薄切りを齧りながら酒を飲むのもいい。うっすらとピンクに染まった生姜は美しい。「薬味」として使うなら、とことん細かく刻めば「おろし生姜」と同じだ。冷ややっこでも揚げ出しの茄子に乗せて美味しく食べられる。酢生姜は日持ちがするので、生姜を買い忘れても、酢生姜があれば大丈夫だ。
【ラー油】
スーパーではあの小さな瓶入りが100円前後で売っている。もちろん100円程度なので、何かのついでに買い物かごに放り込んでもいい。しかし、「たっぷりと使いたい」場合に困ることがある。中華料理なんぞは「油が勝負」と言う面もあるので、他プリ欲しい。コレは簡単に作れる。適当な小瓶(私は鮭フレークの空き瓶)に唐辛子をぎっしりと詰め込んで、ごま油を注ぐだけである。「中華風の味わい」には乏しいが、「辛い油」としてなら、コレで十分だし、それこそたっぷり使える。私は「非加熱で作る」のでごま油を使う。香りが良いからである。ただ、この方法だと完成まで2か月はかかる。唐辛子を漬けこんだらのんびりと待とう。待ってる間はあの小瓶のラー油を使えばいいから。
そうそう、「唐辛子」であるが、私は業務スーパーで「ホール状態」の唐辛子を買っている。100gで270円前後。100gもあれば3か月は使える。自分の好みや用途で切り方を変えればいい。コレが一番安いはずだ。中国産と言うことに不安があるなら国産品を買うと良いが、お値段が張る。実は私も国産を使いたいのだが、コストが高くなるので妥協している。国産品は辛味が強くて好みなんだが・・・
「種」も使う。買ってきたホールの唐辛子を切れば種が出る。種の方が辛味が強いとも言うので、種も一緒にオイルに漬けたり、ちょっと辛味が欲しいなんて場合に備えて、種だけを保存してある。
【チリ・オリーブオイル】
コレはほぼスパゲッティ用である。製法はラー油と同じ。オリーブオイルもごま油も、加熱で香りがかなり飛ぶので「非加熱」である。使えるようになるまで時間がかかるが、完成までは、ペペロンチーノを作るたびにオリーブオイルで唐辛子を「煮る」ようにして辛味を引き出せばいい。出来れば毎回、こうしたいが、面倒なので「チリ・オリーブオイル」を仕込んでおくのだ。1か月ほどで使えるようになる。1回完成させてしまえば、使った分(半分ほど)を補充するだけで、エンドレスで使える。これはラー油も同じだ。
使う時に、唐辛子も一緒に使うのがコツ。オイルだけだと辛味に乏しいからだ。ティースプーン1杯ほどすくって使う。これではオイルが足りないので、生のオリーブオイルも使う。
他にも「ガーリックオイル」を作ることもあるが、日持ちしないので省略。オリーブオイルで「フライドガーリック」にして、オイルごと冷蔵保存すれば日持ちするが、割とその存在を忘れることがある。「焼き鳥のタレ」や「焼き肉のたれ」も自作することがあるが、コレはその都度紹介したい。
いつものように「近況ノート」に写真を貼っておきます。
『新編』美味い飯があればいい。 四月朔日 祭 @Memorial-Sky
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