誕生日の話
本を読むと、読み終わってすぐ役に立つわけじゃないけど、いつか頭に残っていたフレーズが不意に助けてくれるから無駄にはならないよ、ってなんかの本で読んだ気がする。もしかしたらツイートだったかもしれない。
とはいえ、思い出したフレーズを不意に使おうとすると、普通にギャルゲやエロ本の場合もあるよなって思う。おいギャルゲもエロ本も知らないカマトトぶってるんじゃねぇぞ。聞いてるか?
さて、予防線を張ったところで、ツイートか本かどっかで見た言葉がある。
「誕生日は相手の都合に関わらずめでたいことだから、気兼ねなく祝える」
ソースも原文も曖昧だから、言い方とかは間違っているかもしれないが、この言葉は好きだった。LINEとかTwitterとか誕生日を記載している人はできるだけ祝うようにした。だって祝われるのは誰にだって嬉しいもんね!寿ぐことであらゆる人が幸福に満ち満ちて歩幅も軽やかになることでしょう!
なんなら就活でも言っていた。それが何のアピールになっていたかは分からない。でも、そうじゃないんだなって最近になって気がついた。誕生日おめでとうの言葉が、登録クーポン欲しさにLINE登録した飲食店からのDMくらいにしか思われてないんだろうなって。
祝った人と祝いかえしてくれた人の割合を見たら、10%くらいだった。意外と祝い返してくれてるね、って思った? 一般的な割合はどうかは知らないが僕は低いなって思った。見返りを求める善は善じゃないよ、って言うけど、そんなに人間出来てないよ。誕生日当日に愕然として怒りのままツイートしようと思ったけどあまりにも惨めだからやめた。こうして長文にすれば目に入ることは減るだろうと思って気兼ねなく書いてる。惨めは惨めだがこれくらいは許してほしい。
でも祝われる側にとっちゃ、親しくもないのに年1で連絡してくるの困るよな。弾まない会話は2,3往復の末スタンプで終了するし。変化に乏しい毎日だから、盛り上がるような話題も提供しないしさ。そもそも他人への興味が薄いのもあると思う。冗談みたいだが初対面のおばさんにも言われた。初対面で「他人に興味無さそう」なんて言えるんだよな、無敵か?
普通の人みたいに他人の話を興味あるように装って頑張って聞いていた。だけど、全然覚えられなくて、裸眼なのかコンタクトなのか、就職先はどんな会社だったか、そういったことが覚えられない。性懲りも無く毎回訊いてる。いや、なんで裸眼か否かが毎回話題に出るんだ?
だから今年からは、祝い返してくれる人と、祝われなくても許せそうな人だけ祝おうと思う。もうどうせ、3年もしない間に音信不通になるし。
じゃあね、祝ってくれなかった人達、これからは祝わないよ。
人の幸福を憎むのだけは相変わらず得意だから。勝手に幸せになってね。
エッセイ集 ばんだな @bandanajuggling
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。エッセイ集の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ゆきこの日記(2024/4/29~)最新/澄田ゆきこ
★5 エッセイ・ノンフィクション 連載中 164話
京で生まれて、今日考えた。最新/おくとりょう
★18 エッセイ・ノンフィクション 連載中 81話
夢日記新作/あじのこ
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます