第18話 侵略遊戯、最後の一人

朝未には私達の一員となってほしくてスカウトしたい。


朝未今なぜと言う顔をしたね。


それはね、朝未を気に入ったからだ。

朝未なら私達の望みを叶えてくれそうだからね。


その言葉により朝未は思い出した。

前に美郷が、どんなことでも叶えられる不思議な力を見つけた。そういっていた。

どんな願いを叶えるものはないとも言っていた。


あれはなんだったんだろう。


強欲、お前はなぜ人の声を聞くんだ。


なら朝未に聞くよ。不思議に思わないか。古都音と朝未だけここに来たこと。


思わないな、色欲が強欲を裏切った理由が俺達にあるからだろう。


それはそうだが古都音だけだ。会いたい人がいそうだから会わせてあげている。

朝未を連れてきたのはまた別の目的があるからだ。


別の目的、それはなんだ。


朝未、あなたを殺すことが私の目的だ。戦おう。勝負だ。


それだけ、それだけのために長々と演説してたの。

なんだよ、それ。勝てない勝負だがやってやるか。



そうして朝未は強欲から逃げた。


強欲が朝未の前にやってきて心臓へと手を向ける。

朝未は自分の中へと入ってこようとする手を無視してただ強欲を殴った。

すると強欲は美郷に当たった。

美郷は崩れ落ちた。まるでパズルが崩れ去るように。


そして、強欲も崩れた。


君の勝ちだ。そう言って。


納得できなかった。


そんな俺に古都音が言う。

なにしてくれてるの。朝未君。


すごいじゃない。あなたは英雄よ。

少しの間沈黙してから古都音は言った。


そんなんじゃねえよ。英雄は美郷だよ。

俺は古都音の言葉を否定した。


美郷が教えてくれたんだよ。何事にも絶対はないって。

と思った朝未。


なんでそう思うの朝未君。と古都音に言われたが教えねぇよと言うと暗闇の空間に亀裂が走って外へと出てこれた。


古都音の回りには死んだはずのクラスメイト達がいた。


しかし、二人の姿がなかった。

朝未と美郷である。


人類は過去へと戻り人々は生き返った。

人知を越えた何かの手によって。


しかし、人々の記憶に侵略遊戯の記憶は残っていた。



侵略遊戯という言葉も思い出の一つとなって三年半。


古都音が友達との帰り道、ふとテレビを見た。

朝未はアプリを用いて集団虐殺をしたとニュースで流れた。


朝未のニュースを見て親友の顔を思い出した。

美郷は今行方不明。

美郷、あなたはどこへ消えてしまったの。もしかして。


朝未君も見つけられない。


朝未君。もう一度だけ会いたい。




七つの大罪達は宇宙で古都音の姿を眺めていた。


じゃあな!もう俺は必要ねぇだろ!悪かったな色欲!


そう、また会える。憤怒君。


当たり前だろ!お前に会いに戻ってきてやるよ!満足か!

はい、憤怒君。再開をお待ちしてます。


チッ!ふざけやがってよ!そう思った憤怒であったがどこかへと果てしない旅へと足を運ぶ。


わたくしもこれにて失礼します。家族というものには興味ありますが叶わぬ夢です。色欲様、強欲様を手込めにしてはいかがですか。


色欲はなにも言わなかった。


失礼が過ぎましたね失礼します。色欲様。

そういってお辞儀をすると傲慢は憤怒の後を追った。


色欲さん。僕は憤怒さんについていっていつかあなたを迎えに来ます。待っていてください。


ごめんね、怠惰ちゃん。私は強欲さんを愛しているの。


そんなこと知っています。僕はただあなたに見てもらいたいんです。僕を見て欲しいです。


分かった、帰ってきたら私が涙する様なものを持ってきてくれる。怠惰ちゃん。


はい。そういって怠惰ちゃんも憤怒についていった。


それであなたはいつまでもそうしているの、嫉妬さんは。


あなたになにが分かるのよ。あなたになにが分かるの。


そういって嫉妬はどこへと行った。


嫉妬さんにあんなこというのは言い過ぎではなくて、色欲。


暴食お嬢様はいいの。彼女を探しに行かなくて。


それはあなたも同じではなくて色欲さん。

あなたの方こそよろしいので彼を探しに向かわなくて。


なに言っているのですか暴食お嬢様。

彼なら私の腕の中で眠っております。

暴食お嬢様は、彼女を探しに向かってはどうですか。


色欲さん、あなたはなにを言っていますの。


怠惰ちゃんのこと好きなのではないですか。暴食お嬢様。


一人占めするためにそんなことを言っておられるのですか。色欲さん。


そうです、あなたが邪魔なので出ていってほしいのです。


少しだけお邪魔します。

暴食お嬢様は強欲の額にキスすると、色欲さんあなたを応援しています。と言って消滅した暴食お嬢様。


強欲、早く目を覚ましなさい。

朝未君になにを言われたのか知らないけど。


強欲が目を覚ました。 

色欲さん、首が痛いから膝枕してくれん。


朝未君は殺すことを選択できなかったけど殺して差し上げた方がよろしいですか。お父様。


それは許して色欲よ。


分かった。ねぇ強欲。これでよかったのかな。


よかったに決まっている。


そんな二人へ太陽のような強い光が襲ってきた。


二人は強い光に覆い尽くされて行く。

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小さな嘘と遊戯 @komattyan

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