第3話一つの伝説の終わり……そして、王国は戦争へ走り出す

気づいた時……

体が動いていた


自分の事より、民を守れ


そう父上に教えられた


だが、父上は……民ではなく……



突き動かされた衝動……


周囲の民の中に妙な気配を感じ……我はその者と目が合い……


天啓というものであろうか?


全てを理解した


ああ……我はは……今日死ぬのだ……


本能が運命を理解する


我は……今日死ぬのだ……ここで……この場所で……


それは運命なのだろう……


この世界の神という存在が決めた……


そうか……そうか!!!!!!


我は笑みを浮かべる


我死花を捧げし神よ……感謝しよう!!!!!


此処を我が死場所に選んでくれて……


我が体を、心を、未来を捧げるべき相手に……


この命を捧げられる喜びを……


我が愛する姫は……きっと泣くであろう……


悲しむであろう……


そして、怒るであろう……


民どころか、愛する人の笑顔を護れぬ我の死に様を……


だが……許せ……自己満足であろうと……


我は幸せなのだ……


ただ、悔いがあるとするならば……


我が姫君の体をもう一度抱きしめてあげたかった……


我は……ソナタの事が……





この日……覇王と恐れられた王が命を落とした……


狂人の放った刃から……一人の令嬢を救う為に……



そして、この死が……回避される筈の王国を戦争へと走らせることとなる……


ああ……王を失いし国は……新たな指導者を求む……


それが……悲しみに暮れる心を……さらに傷つけるとしても……


空席の玉座は、新たな王を求める……


稀代の魔術師と共に歩みし者を……

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悪役令嬢断罪の場に現れず! @kisaragikanoto

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