第6話トビラを叩け!前編

 春休みにも中学の練習に時々参加していたけど、それでも約一週間ぶりの体育館に少し緊張する。

「こんにちは!体験入部に来ました!1Aの葉鈴毬です!」

「おーおー、こんにちは。元気がいいね。私は顧問の小門こかど。よろしくね。」

「よろしくお願いします!あの、先輩方は……」

「まだ来てないね。まあ、適当に待ってて。」

「え?確かに急いでここまで来ましたけど、練習は何時からなんですか?」

「うーん、分かんないけど、あと30分もしたら始まるんじゃない?」


分かんないけどって。どういうこと?


「え、でも練習メニューとか狂っちゃいません?」

「まあ、そこは臨機応変にね。バレーは楽しくやるのが一番だし。」

「はあ……」

「もしかして葉鈴さん、東中?あそこは強いもんね、確か全国まであとちょっとだったんだっけ?申し訳ないけど、うちじゃ無理だなあ。」

「確かに東中ですけど、でも、無理は酷くないですか?先輩方だって頑張ってるんでしょ?」

「そういう問題じゃなくてね、いやそういう問題もあるかもなんだけど……」


その時、扉の方で物音がした。間延びした声と共に3人が入ってくる。

「よろしくお願いしま~す、あれ、小門ちゃん、もしかして新入部員?」

「まだ体験だけどね。しかし、全員来るとは珍しい。えーと、こちら東中の葉鈴さんです。」

「え、強豪じゃん。よろしく~」

「えと、よろしくお願いします!」


ん、3人?


申し訳ないけど、うちじゃ無理だなあ。


無理は酷くないですか?先輩方だって頑張ってるんでしょ?


そういう問題じゃなくてね、


3人???


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このユビ動け! 鳩原 @hi-jack

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