姫が魔王にさらわれる。それだけ聞けば勇者が旅立つ理由となる悲劇。だが、この物語は悲劇ではない。義理の姉の一の姫の代わりに自ら魔王の城に乗り込んだ幼女たる二の姫は、か弱き悲劇の手弱女ではなかった。人質の姫が、世界と歴史を動かす物語が幕を開ける。