年賀状
年末の風が冷たく感じられる季節がやってきた。
コタツに入りながら、ハガキの数を数えてみる。枚数は予定通りの数だけあるようだ。
今年も年賀状を送る時期が近づいてきて、準備を始めないとだなと思いつつ、いつも動き出すのが億劫なんだろな……。と、独り言を言いながら頷きつつ、手元に積み上がった年賀状を見て、わくわくした気持ちになる。
友達の真奈にメールをしてみる。
「年賀状って、もう書いてる?」と聞いてみると、「書いてるわけないじゃん」と笑う絵文字と一緒にメールが帰ってきた。真奈はそう言うとこあるかもな……。
理由を聞くと、まず「メールやSNSで十分だからわざわざ書く必要がないんだよ」と言われた。確かに、今はデジタルで簡単に連絡が取れる時代だから、わざわざ紙に書かなくてもいいと思う人も多いんだろうな。
次のメールでまた理由が来る。
「手書きで書くのが面倒くさいし、時間もかかる」
忙しい現代の生活の中で、手間のかかることは避けたくなるのも無理はないかもしれない。最後に、また念を押すように年賀状を送らない理由を言われた。
「住所を知らない友達も多いから、送りにくい」
ということらしい。確かに、住所を聞くのが少し気まずいと思うこともある。
そんな理由を聞いて、納得する部分もあった。でも私は昔から年賀状のやり取りをする派だ。だから真奈にも「住所教えてくれる?」と聞いてみた。
真奈は少し戸惑っているようだった。私は念押しでメールを送ってみた。
「今だけじゃなくて、何年後の未来でもやり取りを続けていたいから、年賀状は良いんだよ」
そうやって説明すると、真奈も分かってくれたようだった。
「ありがとう」と、返事が来た。
年賀状には特別な温かさがあると私は思う。手書きの文字には、送り主の思いや心が込められている感じがして、受け取ると嬉しくなる。長年の友達とのやり取りが続くのも、年賀状のおかげだ。
新年を迎えるたびに、友達から届く年賀状を手にするのが楽しみだし、私も自分の気持ちを込めて年賀状を書くのが好きだ。真奈にもその楽しさを分かち合ってもらえたら嬉しい。
私はまた今年も年賀状を書き始める。新しい一年が素晴らしいものになるように、心を込めてメッセージを綴る。長年やり取りできる年賀状があるおかげで、友達との絆が深まるのを感じる。
「やっぱり年賀状っていいなー」
そう思いながら、私は年賀状にペンを走らせた。この小さなカードに込めた気持ちが、受け取る人の心に届いて、笑顔が広がることを願っている。そんな風に感じた、年末のひとときだ。
「年賀状ってやっぱり好きだなー」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます