北極

 今日は友達の望子もうこと一緒に蒙古タンメン中本に行くことになった。望子は蒙古タンメン中本が大好きで、いつも美味しそうに蒙古タンメンのカップ麺を食べているのを見て、一度行ってみたいと思っていたから、すごく楽しみだ。


 お店に着いてみると、すごい行列ができていて驚いた。でも、望子と一緒だから待つのも苦じゃない。列に並びながら、「本当に人気なんだね」と私が言うと、望子はニコニコしながら「ここは本当に美味しいからね」と答えた。


 待っている間に、望子が蒙古タンメン中本に関する雑学を教えてくれた。


「知ってる?蒙古タンメン中本は1968年に東京都板橋区で創業されたんだって。それに、お店の名前は創業者の中本氏が考えたんだけど、当初は別の名前だったらしいよ」


「えっ、別の名前って何だったの?」



「初めは『大和』っていう名前だったんだけど、競合店の名前と被っちゃって変更したんだって」


 蒙古タンメンに、そんな歴史があるなんて知らなかったから驚いた。

 さらに望子は続けた。


「それから、ここで使われている辛味噌は特製で、独自の製法で作られているんだよ。だから他の店では味わえない独特の辛さが楽しめるんだって。それと、店のマスコットキャラクターは『中本の辛ラーくん』って言うんだ」


 望子は、蒙古タンメン中本のことなら何でも知ってるかもしれない。


「あとは、毎年夏には限定メニューが登場するんだよ。今年は『冷やし味噌ラーメン』が大人気だったの」


 そんな話を聞いているうちに、ますます期待が膨らんでいった。


 そんなことを話している間に、ついに順番が来て店内に入ることができた。店内の活気あふれる雰囲気に包まれながら、私たちは席に着いた。望子は迷わず「北極、一番辛いのをお願いします」と注文した。


「あれ? 北極ってなんでこの名前なの?」


「北極って、寒い北極の地域でも辛さで体を温めるって意味が込められているんだって」


 望子は雑学を披露してくれた。なるほど、そんな意味があったんだと私は感心した。



 ◇



 そして料理が運ばれてきた時、望子の目が一層輝いた。


「これが北極!辛さがたまらなく好きなんだ」


 望子はそう言って、嬉しそうに食べ始めた。


 私も味が気になったので、北極を一口分けてもらった。

 最初は強烈な辛さに驚いたけれど、その辛さの中にある深い旨味が広がり、やみつきになりそうだった。「これ、美味しいね!」と思わず声を上げてしまった。


 望子も満足そうに頷きながら言ってきた。


「でしょ? 北極が一番好きなんだ!」

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