マジック
今日の放課後、友達の加奈子が私にトランプマジックを見せてくれると言ってきた。加奈子はいつも元気で楽しいことが大好きだから、どんなマジックを見せてくれるのか楽しみだった。
教室の片隅で、彼女は真剣な顔でトランプを取り出し、私に向かって「見ててね」と言った。
加奈子が始めたマジックは、トランプの中から選んだカードを当てるというものだった。まず、私に一枚のカードを選ばせて、そのカードをデッキの中に戻した。加奈子はカードをシャッフルし、再びデッキからカードを引き出す。
しかし、そのカードは私が選んだカードではなかった。
「あれ、おかしいな」
そう言うと、加奈子はもう一度同じように挑戦してみたが、またもや失敗した。次第に焦りの表情が浮かぶ加奈子を見て、私は「どんまい」と微笑んだ。
その後も何度か挑戦してみていたが、どれもバレバレだった。
「加奈子、下手すぎて全然驚かないよ」
私は言いながら笑ってしまった。加奈子も苦笑いを浮かべながら「難しいね」とつぶやいた。
そこで、私はマジックがバレないようにやるコツを教えてあげることにした。
「マジックを成功させるには、別のところに注意を逸らすのが大事なんだよ」
加奈子は興味津々に私の言葉に耳を傾けていた。
「じゃあ、私が見せてあげる」
私は加奈子からトランプを受け取ると、切り始める。
「まず、一枚カードを選んでデッキに戻してね」
そう言うと、加子は素直に従ってくれた。
次に私は、廊下の方を見ながら言う。
「あれ、加奈子。大悟先輩が通ったかも?」
何気ない嘘をついてみた。すると、加奈子は驚いた表情をして、視線をトランプから逸らして、廊下の方へと向いた。
その瞬間、私はサッとネタを仕込み、トランプをうまく操作した。
「あ、違うかー」
「もう、びっくりした」
そう言いながら二人で笑った。
これにより、見事にマジックが成功した。加奈子はトランプを当てた。
「すごい!? どうやったの?」
目を輝かせて聞く加奈子に、私は教えてあげる。
「注意を逸らすって言うのはね、具体的には別のところを見させるってことだよ」
私は、そう教えてあげた。
「なるほど? もうちょっと詳しく教えてよ! いつどうやったの?」
不思議そうな顔をしながらも、嬉しそうに笑いながら聞いてきた。その顔を見て、私も嬉しくなった。マジックをすることが、楽しくて互いに笑顔でいっぱいだった。
マジックって本当に楽しいな。見るのもやるのも好きだし、何より成功した時の達成感がたまらない。これからも加奈子と一緒にマジックを練習して、もっと上手くなろうと思った。
「マジックっていいね! 好きになったかも」
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