手帳

 もうすぐ一年の終わりが近づいてきた。師走というだけあって、先生たちも忙しそうに授業を終わらせる。教室の空気もどこかせわしなく、友達もみんな忙しそうにしている。


 そんな中、友達の亜美が手帳を広げて予定を確認しているのを見た。


「来週末は家族でディズニーランドに行くんだよ」


 亜美がそう言いながら楽しそうにする顔に、思わず微笑んでしまった。


「それに翌日は友達とカフェ巡りする予定もあるんだ。あとは、クリスマスイブにはパーティーがあるんだよ。大忙しだよ」



 さらに続ける亜美の話を聞いていると、本当に楽しい予定がいっぱいで羨ましかった。


 一方で、私の手帳を開くと真っ白。

 私の方はほとんど予定がなかった。友達の誕生日も十二月には無いし、そもそもページをめくってもほぼ真っ白。なんだか寂しい気持ちになってしまった。


「色々予定を入れたいな……」


 そうつぶやいた。せっかくの師走、もっと充実させたいと思った。来年はもっとスケジュールをいっぱいにして楽しもう、そう決心した。


 そのためには、まずは可愛い手帳を買ってみようと思った。手帳が好きな私にとって、新しい手帳を手に入れることは新たなスタートの象徴だ。カラフルなカバーや、おしゃれなデザインの手帳を見つけて、それに自分の予定を書き込むのが楽しみだった。


 ◇


 帰り道、文房具店に立ち寄り、たくさんの手帳が並んでいる棚を見ながら心を躍らせた。可愛らしいイラストが描かれた手帳や、シンプルで使いやすそうなデザインのもの、どれを選ぶか迷ってしまうほどだ。


 最終的に選んだのは、ピンクのカバーに花の模様が入った手帳だった。新しい手帳を手にすると、自然と笑みがこぼれた。これからこの手帳に、自分の楽しい予定を書き込んでいくんだと思うとワクワクした。


 家に帰ってから、さっそく手帳に色々な予定を書き込んでいった。まずはクリスマスの予定を入れ、その次にはお正月の計画も立ててみた。空白のページが少しずつ埋まっていくのを見ると、なんだか充実した気分になった。


「もうこんなに予定入ったからね! 来年はもっとたくさんの予定を入れて、いっぱい楽しもう」


 この手帳に自分の夢や目標、楽しい出来事を書き込んでいくことで、毎日がもっと素敵になる気がした。


 手帳が好きと、そんな気持ちを再確認しながら、私は新しい手帳を大切に抱えた。これからの1年がもっと素晴らしいものになるように、この手帳と一緒に過ごしていこう。この手帳が、私の毎日を輝かせてくれることを信じながら、私は微笑んだ。


「手帳、大好き!」

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