鳥の部位クイズ

 給食が好きと言うと、小学生っぽく感じてしまうかもしれないが、中学生になったとしても学校の楽しみと言えば給食だ。

 毎日の癒しの時間といえば給食だ。給食があるからこそ学校に登校する気になるっていうところもあるくらい。


 どんな給食だとしても美味しい。私はどんなメニューも大好きだ。

 その中でも、どれが一番好きかと言われたら甲乙つけがたいけれども、特別な日だけのメニューが好きだ。


 特別な日のメニューというのは、例えば七夕に出てくる七夕ゼリーだったり、バレンタインデーに出てくるチョコプリンだったり。そういう給食メニューがあったりするから好きなのだ。



 もちろん通常メニューの給食と言うのも好き。月一回のカレーや、揚げパンと言ったメニューも楽しみ。それがあるからこそ、給食が好きでいるというところもある。

 ただ、やっぱり一年に一回の特別な日のメニューという物は心が踊る。


 そして、そういうメニューは突如として現れたりする日もある。


 今日の給食メニューは何だろうなーと楽しみにしているとやってきたのは、骨付き肉だった。


 驚いていると、隣の席の男子の計倉けいくら君が肉の解説をしだした。


「肉っていうのは、チキンの部位ごとに呼び方が違ったりするんだ。羽部分の手のこと、つまり手の先の方ことで、『手羽先』という名前がついている」


 独り言のように解説しているから、私はこっそり相槌を打ちながら聞く。


「身体に近い方の手の部分は、『手羽元』と言う。それは、大きな骨に肉がついている形だ」

「ふむふむ。と言うことは、今日出てきたこのメニューと言うのは、手羽元っていうことですか?」


 解説に対して、私がこっそりと合いの手を入れると、計倉君はびっくりした顔をしたが、そのまま話をつづけた。


「そうそう、これは手羽元なんだ。ただし、ただの手羽元とは違うところがある。笹綿ささわたさんは、なんだと思う?」

「なんか、普通の手羽元よりも大きい気がします! 漫画肉っぽいです!」


 私と計倉君は互いにうんうんと頷き合っている。


「漫画肉っぽいのは納得だけど、答えでは無いかな。手羽元よりももっと大きいのが、もも肉なんだ。大きな骨がついているのが特徴でね。そして、この肉の大きさからすると、鶏ではなくてきっと七面鳥を使っていると思うんだ」

「七面鳥っていうと、あのクリスマスに食べる『ターキー』と呼ばれるあの鳥ですか?」


「そうそう。ターキーのもも肉を使っているとすると、呼ばれ方は一つ」

「わかりました! 『ターキーレッグ』ですね!」


 私と計倉君は顔を見合わせて、パチパチと拍手をした。


「大正解だよ! さすが笹綿さん!」

「ふふ、鳥の部位クイズ、楽しかったです。私のこのクイズ好きかもです」

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