月替わりメニュー

 学食は月毎に定食メニューが変わる、『月替わりメニュー』と言うものがある。季節ごとの野菜やら、その月の旬な食材を使った料理の定食なのだ。旬なものは美味しいし、値段も安い。

 ただ単にメニューが新しくなるっていうだけと思っている人もいるけれども、私にとっては神メニューなのだ。絶対に外れが無いメニューなのだ。


 いつも月末に変わるという謎の周期だけれども、季節先取りっていうことなのかな?それも、『月替わりメニュー』らしい気がして、私は好きなのだ。


 今月もメニューが変わる日だったので、授業が終わると急いで学食へ向かった。

 何よりも楽しみにしていた月替わりメニュー。今月のメニューは何に変わったのかな?



 胸躍らせて学食へとついてみると、そこにあったのは今月の月替わりメニュー『餃子定食』だった


 サンプルで展示されている餃子がキラキラと輝いて見える。焼きたてで油のテカリかもしれないけれども、それがとても美味しそうに見える。

 中身は見えないけれども、旬な食材が入っているのだろう。そう考えると、さらに美味しそうに感じられた。これは、絶対食べるしかないな。


 注文は、先に食券機で買う形式。お金を入れてすぐにボタンを押した。すると、一緒に来ていた友達が驚いた。



「月子、まさか餃子定食食べる気? なかなかチャレンジャーだね」

「えへへ、こればっかりは食べずにはいれらないよ!」


「購買でブレスケア買っておきなよ?」

「うい!」


 急いで学食に来たので、すぐに注文もできた。

 定食を受け取って席へと向かう。餃子定食なんて食べる人は少ないかと思っていたけれども、意外と周りにも数人餃子定食を頼んでいる人がいるのが見えた。

 それを見ると、やっぱり美味しいんだろうなという気持ちが高まってくる。


 そもそも匂いが気になるというなら、学食でそんなものを売るのは禁止されていると思うし。多分、ニンニクの量とかも調整されていると思う。そのくらい、私はこの学食を信頼している。


 そんなことを思いながら席につく。

 席に着いた友達の方をちらりと覗いてみると、友達もなんだかんだ餃子定食を頼んでいたようだった。


「やっぱりみんな、餃子食べるんじゃん! 絶対美味しいよね、いただきます!」

「「いただきまーす!」」


 餃子を一つつまんで、しょうゆをつけて口へと運ぶ。すると、一瞬で野菜の甘味が口の中に広がった。その甘味を噛みしめるように口を動かすと、シャキシャキの野菜の歯ごたえがなんとも言えず、美味しさを引き出していた。


「これ、美味しいよ! 野菜シャキシャキだし、こんな餃子食べたことないよ! ノーベル賞ものよ!」

「何その例え。月子は、いつもなんかずれているよね。ははは」

「けど、この餃子すっごく美味しいね!」


 みんな、シャキシャキと餃子をほおばって、幸せそうな顔をしていた。やっぱり月替わりメニューに外れは無いと実感した。


「やっぱり私、月替わりメニュー大好きだな! すっごく美味しい!」

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