きつね
午前中の授業が終わったので、学食へ行く。
お弁当を食べるにしても、学食が食事場所となっているのだ。
うちの学校は、すごく広くて綺麗なのだ。学食だけが自慢かもしれない。
色んな生徒がいるけれども、私は親から昼食代をもらっているから学食で買うことにしている。。
余ったお金は私のお小遣いにしていいことになっているから、学食の安さというのは魅力的だ。
安いことこそ、正義かもしれない。
今日も、お気に入りのそばを頼んで席へと着いた。
いつも適当に座って、その時一緒になった人と昼食を食べたりしている。
今日一緒になったのは、
「久しぶりだね。元気してた?」
「おひさ、
昔は仲よく学食に来ていたりしたけどね。久しぶりに会うと、ちょっとテンション上がるかも。
早速私も、割り箸を割って食べようとすると、
「えっと、
「たぬきうどん!」
美味しそうに食べているけれども、不思議に思ったので尋ねてみた。
「うどんって言ったら、『きつねうどん』じゃない? お揚げが乗っているうどんじゃないの?」
「私は、たぬきうどん派だよ? 美味しいんだよこれ。それを言ったら、
「これは、きつねそば!」
「そばって言ったら、『たぬきそば』じゃない? 天ぷらとか揚げ玉が乗ったそばじゃないの?」
「いやいや、そばはこれだよ!」
「それを言ったら、うどんもこれだよ!」
ムスッとした顔をして見たけれども、二人とも耐え切れずに顔を見合わせて笑った。
「相変わらず、
「それを言ったら、
「え、見られてたの? 恥ずかしい!」
「「はははは」」
仲が良すぎて、『狐と狸コンビ』なんて呼ばれていた時期もあるくらい。
久しぶりに
「やっぱり私、『たぬき』が好きだなー」
「私も、『きつね』が好きだよ!」
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