秋の夕焼け
「あれ、財布が無い? 落としたかも……?」
「えぇーーっ! 財布を落としたのっ!?」
クレープ屋さんに並んでいるときに、友達の
「さっきまであったと思ったんだけどな……。やばい、どうしよ……」
「とりあえず探そう!」
落とした張本人の
まさか私が持っているわけも無いけれども、私のカバンの中もごそごそと探してみた。やはり、あるわけはなかった。
「うーん、しょうがないか。推しの写真とか入れてて、大事な財布だったんだけどな。あーあー……」
なんだか
「まだ諦めるのは早いよ。ここに来るまでの道で落としたのかもしれないし。早く探しに行こう。本当になくなっちゃうかもしれないよ!」
「けど、クレープ食べてからでも良くない? もうないかもしれないし」
「まだそんなこと言ってるの! 財布って大事だよ。お金だって、
「まぁ、そうかもしれないけれども……」
「もう、クレープなんていつだって食べれるんだから、行くよ!」
私が一生懸命訴えても、全然真剣に考えてくれない。
私は、
「探しに行こう! こっちから来たよね?」
「もう、
「よし。じゃあ行こう。私、
「……ありがと」
そう言って勢いよく歩き出したものの、すぐには見つからなかった。
学校からの帰り道を戻って、また学校の方まで歩いてきた。
どこにも見当たらなかったので、校内に入って私たちの教室のところまで戻ってきていた。
「もしかして、机の中に忘れてきちゃったりした?」
「うーん、そうかも?」
「あったーーー!」
「よかったーー! 私の財布ー!」
「
「ふふ、どういたしまして。あってなによりです」
「じゃあ、またクレープ屋さんにでも行こうか」
私と
一生懸命財布を探していたら、気付けば夕方になっていて夕焼けが眩しかった。
涼しい風が吹き抜ける。
「なんだか、もう秋だね」
「そうだね、夕焼けが綺麗だね」
私と
「私、秋の夕焼けって好きなんだ。
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