日向ぼっこ
休みの日の日中というのは、リビングの窓際で日向ぼっこをするのが良いよね。日向ぼっこってすごく気持ちがいいよね。
友達に話を聞いてみるとね、「家の中ですることが無くて暇だー」とか、「スマホの時間が制限されちゃってて、いじれない時間って超ヒマ」とか言うんだよね。
そんな友達に、私は日向ぼっこはいいよーって言ってるんだ。
昨日も学校でこんな会話があったんだ。
◇
「日向ぼっこって、いいよ!」
そういうと、みんな微妙な表情を返してきた。
「そりゃあ、気持ちいいけれども。そういう話じゃないんだよ」
「日向ぼっこして楽しいかって言われたら、やっぱりヒマじゃない?」
そんな風に言われたので、私は亀みたいに意見をひっこめた。
「そ、そうだよね……。ははは……。スマホゲームって何やってるの? 私もやってみようかなー?」
「そうなの!? じゃあ紹介するね。これすっごく可愛くて、面白いんだよ!」
◇
そんな風に人に合わせちゃうところはあるけれども。
やっぱり、日向ぼっこっていうのは気持ちいいんだよ。
窓辺から、部屋の中に光が注ぎ込まれる。私に、優しく布団を掛けてくれているみたい。
誰かに布団を掛けてもらうって、やっぱり幸せだよね。温かいなー。
日向にいるだけで幸せな気持ちになるし。
なんでみんなしないのかな?
スマホなんてしたって、何がいいんだろうね。
日向に寝転びながら、試しにスマホ画面をつけてみる。
スマホゲームの起動画面が映し出される。そこには、可愛い女の子がダンスをするように動いている。何の目的があるかわからないけれども、動いている。
そして、可愛い女の子のキャラクターの声で、ゲームのタイトルが読み上げられる。
「こういうのって、なんだか、荒々しいんだよなぁー……。勝負事とか、そういうの私あんまり苦手なんだよなー……」
友達からハマっているゲームを聞いてみたんだけれども、オープニング画面で少し拒否反応が出てきた。そっとスマホを床に伏せておく。
私は、紹介されたものは、ちゃんとやったもんね。ダウンロードして、起動させるところまでやったら、約束は守ったってことになるよね。
みんな、可愛いものが好きなんだろうね。
けど、私の場合は、目も耳も疲れちゃうんから、やっぱりやらないな。
寝転がって、目をつぶって、再び日の光を感じる。
温かい布団の中にいるような気分。顔まですっぽり布団に包まれて。けど、布団の仲とは違って、息は苦しくなくて
それで、布団とは違って、重さも無いし、なんだか柔らかく包まれているっていう感じ。
そういえば、最近は、日の沈むのも早くなってきたから、こうしていられるのも、数時間のことなんだ。
私はこの時間が好きなの。
夏の終わりを感じる日向ぼっこ。
日向ぼっこ気持ちいいよね。大好き。
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