俳句
夏休みの宿題の一つに、俳句を作るっていうものがある。宿題でいったら、短めの部類だと思うんだよ。
読書感想文とかって、読むだけでも一苦労だし、その感想を原稿用紙に書くのもすっごい大変だし。
それに比べたら、俳句を考えるのなんてすぐ終わって簡単なんだ。
提出用のプリントを机の上の出して、考えてみる。
『夏』を題材にするらしいんだよね。夏に関連していれば、なんでも良いらしいんだ。夏の季語っていうのを調べるきっかけにもなるって言ってた。
参考にもらったプリントと、教科書を開いて、夏の季語を探してみる。
季語って言ってもいろんな種類があるんだよね。
浴衣、祭り。そういうのが夏の季語なんだね。
セミ、蛍、カブトムシ。そういうのも、確かに夏っぽい。
入道雲、夕立。夏の天気も季語なんだね。
目を閉じて、私が体験した今年の夏を思い出してみよう。
うーん、今年の夏はひたすら暑かったんだよね。友達みんなでプールに行こうーって張り切ってたんだけどね。プールに行ってもなんかお風呂に入ってるみたいな温度だったんだ。
日差しが強すぎたんだよ。そんな暑さだと、男の子もみんな、上半身にはラッシュガードをつけてたんだ。みんな腕の先まで真っ黒でね。
ラッシュガードが無いと、肌が火傷しちゃうんだ。そんなことを、俳句で書けたらいいのかな?
うーんと、『ブール』って、夏の季語であってるのかな?
目を開けて、プリントに書いてある季語一覧から探してみる。すると、『プール』もちゃんと夏の季語のリストに書いてあった。
それであれば、大丈夫だね。プールに入って思ったことを書いたらいいのかな。見えてた景色を書いたらいいのかな?
プールサイド 男子もみんな ラッシュガード
うんうん。こんなのでいいのかな?
俳句って難しいな……。
――コンコン
「はーい、どうぞー!」
「
「そうそう! 今年の宿題はちょっと楽でね。俳句を書くっていう宿題なんだ」
「そうなんだね。俳句を書くだけっていわれたら、楽だけど難しそうだね。もしかして、それが美咲の書いた俳句?」
「あたり! 今で書けたところなんだ!」
お姉ちゃんは、私の机の上をじっくりと眺めていた。私の俳句は良くないのかな?
しばらく見ていると、なにかを思いついた私の方を見てきた。
「ちゃんとできているね。実際に体験をしたことを書くと、見直した時に懐かしい気分になって楽しめると思うよ!」
お姉ちゃんは、ウキウキとした目をしていた。
「ありがとうお姉ちゃん。ちょっと難しかったけど、俳句を作ってみるのも楽しいね。私は良く好きかも!」
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