スイカバー
私は、スイカへの憧れっていうものは、それほど強くなかった。
そうなんだけれども、最近気付いちゃったの。
私、スイカバーがこんなにも大好きだったんだーって。
お母さんとスーパーにお買い物。
夏のスーパーは、すっごく涼しいから、私は天国って呼んでるの。
とっても過ごしやすいんだよ。
今日もお母さんが天国に行くっていうから、私は着いてきたの。
「なにか欲しい者ある?明日の朝ごはんとか買っていく?」
「うん、私はシリアルが食べたいなー。だって、栄養がたっぷりで安いんだよ!」
こういうと、お母さんは納得して買ってくれるの。
すごい美味しいから好きなんだ。
そんな流れで、メインでご飯を買っていくのがいつもの流れ。
野菜売り場を見て、お魚売り場を見て、お肉売り場を見て。
「そうだ、アイスでも買っていこうか?」
「うん!」
アイス売り場に行くのは一番最後。
お店について最初にアイスを選んで、買い物かごに入れちゃうと、溶けちゃうからね。
アイスは一番最後のお楽しみなんだ一。
「今日は何買おうか?
「わーい、やったー!」
「箱のアイスじゃなくてもいいよ? 今日暑いから、食べて帰ろう」
「えっ!? いいの? やったー!」
箱の中に数本アイスが入って売ってるのがあるの。
それをうちでは、箱アイスって呼んでいる。
箱アイスのタイプの方が、少しだけ割安なの。
だから、お母さんが買う時はいつも箱アイスニしてって言ってるんだ。
けど、箱アイスって割安なんだけれども、一つ一つのアイスが、実は小さかったりするんだ。
だから、箱じゃないアイスを買ってくれるっていうのは、つまり大きいアイスを食べれるっていうこと。
そうだとしたら、私は満足できるように、すっごい大きいアイスを選ぶ。
私は、スイカバーを取って、買い物かごに入れた。
「いいねー。じやあお母さんはメロンバーにしようかな?」
「えー、メロンバーっていうのも売ってるの?それも美味しそう!」
「じゃあ、お母さんと分け合おうか?」
「うん!」
アイスをかごに入れて、すぐに会計を済ませるとスーパーの前にあるペンチへと腰かけた。
アイスはすぐ溶けちゃうから、買ったら即食べちゃうのです。
パッケージを開けると、出てくる大きい赤い三角形。
いつ見ても、大きさに圧倒されちゃうよ。
家で食べるアイスの何本分あるんだろうっていうくらい大きい。
お母さんの方もパッケージを開けると、同じくらい大きい緑色の三角形が出てきた。
それも美味しそう。
「それでは、頂きます!」
夏の暑さの中、まだ冷え冷えな三角形を頬張ると、口の中が爽やかな甘さで包まれた。
「うん、美味しい! やっぱり、夏はスイカバーだね。私スイカバー大好き!」
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