かき氷

 かき氷が美味しい季節が始まった。


 梅雨も明けて、毎日暑い日が続いているんだ。

 こんなに暑い日だと、プールにも入れないんだよ。

 そんなことあるの一って、みんなで嘆いていたんだ。


 そんな時は、しょうがないから、友達とみんなで涼しい場所に行くの。

 図書館へ行ったり、区民会館に行ったり、ショッピングセンターに行ったり。

 その三つをローテーションするっていう感じ。


 今日は、区民会館に来ている。



 区民会館の中、いつもの遊び場に集まると、見慣れない機械が置いてあった、大きさで言うと、電気ポットくらいの大きさ。

 好奇心旺盛なさっちゃんが、すぐに駆け寄っていった。


「ねぇ、見て見て! あの機会なんだろう?」

「なんだろうね?」


 よくわからないで眺めていると、館長さんがやってきた。


「おはよう。今日も早いね。この機会は『かき氷機』だよ」

「えぇ! こんな形なの?」


「なんとね、このかき氷機はね、自動でかき氷ができるんだ」

「「えぇーーーすご――い!」」


 私たちの反応に対して、館長さんは自慢げに語りだした。


「ふふふ。自動でできるのは、今までもあったかもしれないけれども、これは進化したかき氷機なんだ」

「うんうん」


 興味津々に食いついてしまったからか、その後数十分間かき氷機の説明をされた。


 館長さんが言うところをまとめるとね。

 今まで私が家で食べたことあるかき氷は、ザリザリと氷の触感が残るようなものだったんだよ。

 一方で、でお店食べるのは、ふわっふわしているかき氷なの。

 それが作れるっていう説明だった。

 かき氷機の刃とかの説明をいっぱいされちゃた。

 段々と長い話に疲れた頃に館長さんが提案してきた。


「とりあえず、食べてみるかい?」


 私とさっちゃんは、その言葉を待っていた。


「「うん!」」



 館長さんは、かき氷機に新鮮な氷を持ってきて入れてくれた。

 それでスイッチを入れると、ふわっふわのかき氷が出てきた。

 まずは、シロップもつけずにそのまま食べてみる。

 結局、どうやって作っているのか、わからないけれどもかき氷を口の中に入れたら、すぐに溶けていくの。

 初めて大トロを食べた時みたいに感動したのを覚えている。

 舌の上に乗せるだけで、すぐに何もなかったように溶けて行っちゃうんだよ。

 シロップを掛けなくても、とっても美味しかった。


「じゃあ、シロップをかけて食べてごらん?」


 館長さんが持っていた箱に、小分けのシロップがいっぱい入っていた。

 シロップは、一回分が小分けになっているタイプ。

 子供の時に食べた、小さいゼリ一みたいなものだった。


 私とさっちゃんで、イチゴ味と、ブルーハワイ味を開けた。


「これってさ、混ぜても美味しいかもよ」「本当?」


 そう言って、さっちゃんと私とで、シロップを掛け合った。


 赤と青のふわふわかき氷。

 それは、夏の暑さも忘れるような、冷たくて美味しいものであった。


 やっぱり夏は、これだよね意外と美味しい、みんなありがとう。かき氷、大好き。

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