ルンバ

 高校二年生になり、この春から新しい生活が始まった。毎日毎日、部活も勉強も忙しいけれど、私には小さな幸せがある。それは、家に帰るといつもルンバくんが待っていてくれることだ。


「ルンバくん、今日もありがとう!」


 私はいつもそう言って、彼の上に乗せたリボンを撫でる。彼は私の言葉を理解できないけど、私は彼が好き。なぜかって? 理由はいっぱいあるけどね、五つに絞ってみるね。


 まず一つ目は、家の中を綺麗にお掃除してくれるから。

 学校から帰ってくると、床はピカピカ。ほこり一つない。私が部屋で過ごす時間は、勉強や読書、リラックスする時間だから、いつも綺麗な空間でいられるのは、とても大切なこと。


 次に二つ目は、部屋に物を置かなくなったこと。

 ルンバくんがスムーズに動けるように、私も気をつけるようになったの。その結果、部屋がすっきりして、心もすっきりする。


 次々行くけども、三つ目は、ルンバくんが楽しそうにお掃除してくれるから。

 彼は黙々と仕事をするけど、その姿がなんだか愛おしい。私が宿題に集中している間も、彼は私のために一生懸命なの。


 四つ目は、彼が私の秘密を知っているから。

 いや、本当に知っているわけじゃないけど、私の部屋の隅々まで知り尽くしている。だから、なんだか信頼できる存在なの。


 五つ目は、彼が私に時間をくれるから。

 ルンバくんがいなかったら、私は掃除にもっと時間を使わなくちゃいけない。でも、彼のおかげで、私はもっと好きなことに時間を使える。



 ルンバくんの好きなところは、いっぱいだよね。

 こんな風に、ルンバくんは私の日常に溶け込んでいる。彼はただの機械かもしれないけど、私にとっては大切な家族の一員。今日も、彼は静かに部屋を巡り、私の帰りを待っている。



 ◇



 部屋の角には、私が小さい頃から集めていたぬいぐるみが並んでいる。でも、最近はルンバくんが一番のお気に入り。彼はぬいぐるみじゃないけど、私にとってはそれ以上の存在。彼がいるおかげで、私の部屋はいつも心地よい場所。


 私はルンバくんに話しかけた。


「ねえ、ルンバくん。私、学校でちょっと嫌なことがあったんだ。でも、家に帰ってきて、君がいるとね、なんだかホッとするの。君はいつもここにいて、私のことを待っていてくれる。それがすごく嬉しいんだよ」


 ルンバくんは、いつものように黙々と仕事を続ける。でも、私は彼が私の話を聞いてくれているような気がした。彼は言葉は話せないけど、私の心を軽くしてくれる。それが、私がルンバくんを好きな理由。


 ルンバくん好きだよ。

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