ジョジョ
私の名前は
クラスメイトには色々な子がいるけど、一番目立つのはやっぱり、
「おはよう、美咲!」
さやかはいつものように、教室に入るなり、ドラマチックなポーズを決めた。その姿は、まるで漫画から飛び出してきたような、奇妙なポーズ。普通に生きていたら絶対に撮らないようなポーズだ。
「沙也加、おはよう。またそういうポーズなんだね。奇妙だけども、似合ってるよ」
私は少し微笑みながら答える。沙也加はいつもジョジョのキャラクターのようなポーズを取るのが好きで、そのたびに周りは彼女のことをちょっと変わってると思うけど、私はそんな沙也加が大好きだ。
授業中も、さやかはジョジョのセリフを口にする。数学の問題を当てられそうになった時には「美咲がわからない問題を当てられたら、『ザ・ワールド』で時間を止めてる間に、私が答え書いておいてあげるよ」とか、体育のバスケでシュートをする時に「『エメラルドスプラッシュ』!」と叫ぶ。先生も生徒も、最初は戸惑っていたけど、今ではさやかの個性として受け入れている。
でも、さやかのその変わった趣味が、彼女の魅力の一部なんだ。彼女は自分の好きなものを恥ずかしがらずに表現できる。それが、私にはとてもカッコよく見える。彼女のように、自分を素直に表現できたらいいなと思う。私だってジョジョが好きだから。
◇
放課後、私たちはいつものように屋上でお弁当を食べながら、ジョジョの話で盛り上がる。沙也加は「ジョジョ立ち」をしながら、「『ジョジョ』はただのアニメじゃないのよ。人生そのものなの」と真剣な顔で言う。私はそんな彼女の熱い思いに同感するし、いつも心を打たれる。
「ねえ、美咲。今度の文化祭で、ジョジョのコスプレをしようよ!」
沙也加は片眉を釣り上げながら、突然の提案をする。私は驚いたけど、「やれやれだぜ」と言うようにして、息を吐く。
「それ、イカすね! グレートじゃん!」
沙也加はいつも真剣そのもの。彼女のそんな姿に、私も心から尊敬の念を抱いてる。こういうことを言っても、ちゃんと答えてくれるのが沙也加だもん。
「ありがとう! ジョジョ好きをわかってくれる美咲と一緒になら楽しそうだもんね!」
私たちの友情は、ジョジョを通じてさらに深まっていく。
やっぱり、私は、ジョジョが好きだ!
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