イノベーション

 イノベーションというものは、世界を変えるアイディアだって思ってる。

 私は、そんなアイデアが世の中に出てくると、心を躍らせていた。

 それを『ミーハー』と言ってしまえばそれまでだけれども。



 私が生まれた日。

 ちょうど、iPhoneが日本で発売された日なんだって。

 それが、2008年7月11日らしいんだ。


 今では、全員が持ってると思うスマホ。

 それの最初がiPhoneかもって思うと、すごいイノベーションだって思うの。

 私も使ってるiPhone。

 これが世界を変えたって思ってる。



 だから、イノベーションとは、ただのアイディアっていうだけでもないし、ただ新しいものを生み出すことでもない。

 それは、人々の生活を豊かにし、社会に新たな価値をもたらす変革。


 イノベーションって素晴らしいと思うの。



 私のクラスメイトである真希まきは、そんなイノベーションを体現する人物だった。

 彼女は、古いものを新しい目で見る才能に溢れていて、いつも私を驚かせてくれた。


 真希と私は、科学クラブというところで、一緒に活動していた。

 私たちの最初のプロジェクトは、学校の廃材を使ってエコフレンドリーな植物育成キットを作ることだった。

 今、流行りの『SDGs』っていうもの。


 最初のきっかけは、先生からの提案だったんだけれども。

 真希と私はその活動にのめり込んでいた。


 真希は、使われなくなったプラスチックボトルを再利用し、自動水やりシステムを考案した。

 どうやるかっていう部分は、今特許申請中なんだ。

 本当に、きっちりとした活動をしてるんだ。



 彼女のアイデアは単純だけれども革新的で、私たちの学校だけでなく、地域社会にも広がり始めていた。


 私たちは、そのキットを使って学校の花壇や、屋上で小さな庭を作り、生徒たちが植物の成長を観察できるようにしているの。

 そこに、蜜蜂が来たりして。

 小さな生態家も出来ている。



 真希の目は、いつも未来を見据えていた。


「イノベーションは、私たちの手で世界を形作ること。小さな一歩から始まるんだよ」


 たまに、輝いた目を私に向けて、そう言うんだ。

 本当に、真希なら世界を変えられそうかもって思っちゃうな。

 私は真希と一緒に科学クラブの活動をして、成長し、そして夢を見ることができた。

 私も、真希のように。

 少しでも、周りの人達に影響を与えるイノベーションを起こしたい。

 それが私の小さな願いであり、大きな目標だ。


 真希は今日も、廃材を使ってなにか出来ないか実験している。

 私は真希に聞いてみる。


「真希って、すごいよね。今度は何作ってるの?」


 真希は、笑って答えてくれる。


「正直、まだ分からないけど、今度も人の役に立つものを作りたいって思うんだ。イノベーションを起こして、世界をより豊かにするの。私好きなんだ!」

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