オレンジデー
オレンジデーって好き?
そんな質問をされたら、私は迷わず大好き!って答える。
私は高校二年生なんだけれども。
その学年にとって、オレンジデーは特別なんだ。
一年生にとってのオレンジデーは意味をなさないの。
だから、高校生活が始まって迎える初めてのオレンジデーっていうこと。
なんでかって?
それはね、オレンジデーっていうのは、バレンタインデーにチョコを渡して、ホワイトデーにお返しをもらったカップルが、愛を確かめ合う日なの。
日本独自の恋愛のイベントで、4月14日にお互いにオレンジ色のプレゼントを交換するんだ。
オレンジ色は、愛のシンボルの色なんだって。
なんだか明るい色だし、良い色の名前を付けた日だって思うよ。
私の彼氏、
彼女の私が言うのも恥ずかしいけれども、カッコいいんだ。ふふ。
今年のバレンタインデーに、私からチョコを渡したの。
その時は、しっかりとした告白をできなかったんだけれども。
それなのに、ホワイトデーの日に陽太の方から素敵なアクセサリーをくれたの。
その日から、私たちは付き合い始めた。
すぐに春休みがあって、陽太は部活三昧だったから、そんなにデートできなかったんだよね。
なんだか本当に付き合えたのか、モヤモヤが溜まっていたけれども。
オレンジデーっていうのがあるって、
智子は、長い間幼馴染と付き合っててね。
付き合いがマンネリ化しないように、毎月何かしらイベントごとをして愛を確かめ合うって言ってたんだよ。
それで、私もオレンジデーっていうのを勧めてもらったんだ。
私と陽太が付き合って、ちょうど一ヶ月だし。
何かやるにはピッタリだなって。
だから今日、私たちはオレンジ色の何かを交換する約束をしてるんだ。
私は、オレンジ色のリボンを髪に結んで、ドキドキしながら放課後の教室で待ってる。
陽斗はどんなオレンジ色のものを選んでくれるのかな?
陽太がなかなか来ないから、教室には西日が差し込んで来る。
まさか、忘れちゃってないよね……。
そう思っていると、教室のドアが開いた。
「
多分走ってきたのかな。
汗をいっぱいかいている陽太。
そんな陽斗が差し出したのは、オレンジ色のハンカチだった。
シンプルだけど、彼が選んでくれたもの。
私は嬉しくて、思わず「ありがとう、大好き!」って抱きついちゃった。
彼も笑って、私の肩を抱き寄せてくれた。
「陽斗も、オレンジデー好き?」
「お前が好きなら、俺も好きだよ」
そう言って、ニコッと笑ってくれた。
その笑顔に、私はまた恋に落ちたみたい……。
オレンジデーは、私たちの特別な日。
バレンタインデーに始まり、ホワイトデーを経て、オレンジデーで愛を確かめ合う。
みんなは、オレンジデーって好き?
私は、オレンジデーって大好き!
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