応援

 春の陽気が心地よい日曜日。

 高校生活も、もう一年が過ぎようとしていた。

 私はのんびりと自分の部屋でくつろいでいた。


 春ってのんびりしていて素晴らしいよね。

 窓から入ってくる日差しを浴びながら、部屋でゴロゴロとしていると、急にドアが開かれた。


「美緒! 始まるよ!」

「んあ? なんだっけ?」


「試合だよ、試合! 野球の試合!」


 そう言われて急がされたので、私も一緒にリビングへとやってきた。

 私の家族は、スポーツ観戦が大好きで、特に野球がお気に入りだった。

 今日は、地元チームの重要な試合がある日。

 テレビの前には、父も母も姉も、みんなが集まっていた。


「美緒ちゃん、今日のピッチャー、調子いいのよ!」


 母が言った。

 既に野球は始まってしまっていたようで、一回表でツーアウトカウントまで進んでいた。


「うん、すごくいい感じだ!」


 父はうんうんと関心しながら、同意した。


 テレビの中でピッチャーが一球投げる。


「「おーーー!」」

 父と母は選手たちの一挙手一投足に目を輝かせながら、応援していた。


「良い球!」

「あれは、打てないわよね!」


 私も野球観戦は大好きだから、一緒に交じって応援を始めた。


「いいぞいいぞー! もう一つアウトとっちゃえ!



 ◇



 試合は白熱し、家族の声援は次第に大きくなっていった。

 私は、選手たちが力を合わせて戦う姿に、いつも勇気をもらっていた。


 応援するって、ただ観戦する以上に楽しいんだ。

 ただ見ているだけよりも、応援している時の方が、選手たちと心を一つにできる。

 応援する時間は、魔法のような時間だ。


「美緒、お姉ちゃんと一緒に応援歌歌おうよ!」

「いいね!」


 姉が提案してきたので、私は二つ返事で応じた。


 私と姉は二人で手を取り合い、大きな声で応援歌を歌い始めた。

 そうすると、父と母もしっかり混ざってきて、四人で応援歌を歌い始めた。


 その歌声は、家の中に響き渡り、まるでスタジアムにいるかのような気分になった。



 ◇



 白熱する試合は最終回を迎えた。

 押されていた地元チームは、私たちの応援のおかげか、逆転のチャンスを迎えた。

 ここで打てば、逆転でサヨナラ勝ちだ。


 私の心は高鳴り、手に汗を握った。


「頑張って……!」


 一球見送る。

 一球空振り。

 一球見送る。

 一球空振り。


 ……ダメだ。追い込まれているよ。


「美緒、こういう時は応援しよう!」


 姉の提案に私は力強く頷いた。


「頑張れーーー!! 打ってーー!!」



 応援が通じたのか。

 ついに、決定的なホームランが飛び出した。


 打った瞬間入ったと思うくらい。

 大きなあたりだった。


「やったー!」


 家族全員が立ち上がり、抱き合って喜んだ。

 私の心は、選手たちと一緒に飛び跳ねていた。


 試合が終わり、家族で満足そうに笑顔を交わした。

 私は、心の中で選手たちに感謝の気持ちを送りながら、ふと思った。


 応援するってやっぱり楽しいよね。応援するのって好きだな。

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