2月

魔法少女

 私は、魔法少女が大好きなんです。

 日曜日の朝にやってる魔法少女のアニメは、毎週欠かさずに見ている。

 魔法少女は、悪いやつらと戦って、世界を救って、仲間と笑って、そして恋をして……。

 素敵なことばかり。

 私も、魔法少女になれたらなあと思うことが多々あるんです。


 今日も、学校から帰る途中、魔法少女のアニメのことを考えていた。

 今週の話は、主人公の魔法少女が、新しい必殺技を習得して、強敵を倒したというものだったんだよね。

 その必殺技の名前は、「ハッピーガール・スマイル・ブラスト」。

 かっこいい名前だよね。私も、一度でいいから、その必殺技を使ってみたいなって思うよ。

 それで、強敵を浄化させてあげるんだ。



 そう思っていたら、ふと、人気のない道に差し掛かった。

 周りには誰もいない。

 これは、チャンス。


 私は、魔法少女のアニメの主人公のように、ポーズを決めて、必殺技の名前を叫んだ。


「ハッピーガール・スマイル・ブラスト!」


 私は、声を出すと同時に、手を前に突き出した。もちろん、何も起こらなかったけど、気分はすごく良かった。

 私は、自分の行動に満足して、にっこりと笑った。


 すると、突然、後ろから声が聞こえた。


「おお、すごいね。魔法少女の真似をするなんて」


 私は、声の主を見ると、驚いた。

 そこにいたのは、私の学校の先輩だった。

 私は、先輩のことを知っているけど、話したことはなかった。

 先輩は、成績が良くて、スポーツもできて、人気があって、とてもカッコイイと評判だった。



 なんで先輩がいるの……。

 私は、先輩に見られていたことに恥ずかしくなって、顔を赤くした。

 私は、どうにか言い訳を絞り出した。


「あ、あの、すみません。私、ただ、遊んでいただけで……」


 私は、そう言おうとしたけど、先輩は、私の言葉を遮った。


「いやいや、謝らなくていいよ。私も、魔法少女のアニメが好きなんだ。今週の話は、面白かったよね」


 先輩は、そう言って笑った。

 私は、先輩の笑顔に見とれてしまった。

 先輩って、魔法少女のアニメが好きなんだ。

 それに、私のことを笑わないで、優しく話しかけてくれる。

 なんだか、先輩のことが、少し好きになっちゃったかも。


 私は、先輩と一緒に帰り道を歩きながら、魔法少女のアニメの話をした。

 先輩は、私と同じように、魔法少女のことに詳しくて、熱く語ってくれた。

 私は、先輩の話に共感して、うなずいたり、笑ったりした。

 私たちは、気が合って、楽しく話して帰った。



 私は家に着くと、自分の部屋に入って、すぐにベッドに飛び込んだ。

 帰り道のことを思い出すと、すごく幸せな気持ちになった。

 私は、先輩のことを考えながら、つぶやいた。


「魔法少女って素敵ですよね。私も、大好きです」

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