寒天

 寒天って実はね、簡単に作れるの。

 それでね、色々な味や形にできるんだよ。

 食べるのが楽しいし、作るのも楽しいの。


 今日も学校から帰ってきて、早速キッチンに向かった。

 冷蔵庫にある果物やジャム、牛乳やヨーグルトなどを使って、自分だけのオリジナル寒天を作るのが今のマイブーム。


「今日は、何にしようかなー?」



 私は、冷蔵庫から材料を取りだしながら、材料を並べた。

 りんごとバナナとハチミツを使って、フルーツ寒天にしようかな。

 それとも、ココアと牛乳と砂糖で、チョコレート寒天にしようかな。

 あ、でも、ヨーグルトとブルーベリージャムで、チーズケーキ風寒天も美味しそうだな。


 うーん、どれも食べたいなぁ。

 迷っていると、インターホンが鳴った。


 ドアを開けると、友達の咲良さくらちゃんと彩香あやかちゃんがいた。

 元気良く、咲良ちゃんから話しかけてきた。


朱里あかりちゃーん、遊ぼうー。……って、あれ? ‌エプロン付けて、何してるの?」


「うんとね。寒天を作ろうと思ってたんだけど、どれにしようか迷ってたの」



 今度は彩香ちゃんが言う。


「寒天? ‌朱里ちゃん、寒天が好きなんだね。私も寒天好きだよ」


 そんな話をしながら家に入る。

 ママは特に料理もしない人だから、軽くどうぞお好きにーって言ってくれた。



「じゃあ、一緒に作ろうか」


 私は、並べた材料を見ながら説明する


「じゃあ、どれにしようか。フルーツ寒天とチョコレート寒天とチーズケーキ風寒天のどれかにしようか」


 すると、咲良ちゃんと彩香ちゃんが答えた。


「どれも美味しそうだね!」

「選べないからさ、全部作っちゃうのはどうかな?」




「うーん、全部?それだと、多すぎ無いかな?」

「それなら、できたらお裾分けしようよ。近所のおばあちゃんとか、お兄ちゃんとかにあげればいいよ」


「そうか。それなら、全部作ってもいいかな」

「それじゃあ、レッツゴー!」



 私たちは楽しく寒天を作っていく。

 寒天の粉を水に溶かして火にかけたり、果物を切ったり、ジャムを混ぜたり。

 混ぜたあとは冷蔵庫で冷やす。


 そして、寒天が固まるまでは、おしゃべりしたり、歌ったり、踊ったりした。


 ◇


「できたできた。見て見て、これが私のフルーツ寒天だよ」


 咲良ちゃんがそう言って、カップを見せた。

 カップには、りんごとバナナの果肉が入った透明な寒天が入っていた。


 早速一口食べてみると、甘くてさっぱりした味になっていた。

 美味しい。



「これが私のチョコレート寒天だよ」


 彩香ちゃんがそう言って、カップを見せた。


 カップには、ココアの色をした寒天が入っていた。

 こちらも食べてみると、牛乳と砂糖を加えて、まろやかで濃厚な味になっていた。



「これが私のチーズケーキ風寒天だよ」


 カップには、ヨーグルトとブルーベリージャムを混ぜた白と紫の寒天。

 これも食べてみると、ヨーグルトの酸味とジャムの甘さが合わさって、チーズケーキのような味になっていた。


「どれもすごく美味しい! ‌最高だよ!」


 私たちは自分の作った寒天を食べあった。

 それぞれの寒天の味が口の中に広がって、全部美味しい。

 今とっても、幸せな気持ちだよ。


 友達と一緒に寒天を作って、食べるのは楽しいし、美味しい。

 寒天っていいね。私、大好きだよ。

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