飛行機

 私は空が好きだ。


 空はいつも変わっていく。

 青い空、白い雲、赤い夕焼け、黒い夜空。空には色々な表情があるんだ。

 空を見ていると、心が広がるような気がする。


 でも、私が一番好きなのは、空に飛んでいる飛行機だ。

 飛行機はかっこいい。飛行機は速い。飛行機は遠くへ行ける。飛行機は私の夢を乗せてくれるよ。


 窓から見える飛行機。

 進んだ後には、綺麗なひこうき雲を作っていってる。

 自由にどこまでも飛んでいきたいな……。


 私はいつか飛行機に乗って、世界中を旅したい。私は飛行機が大好きだ。



 ――キーンコーンカーンコーン。



 午前中の授業が終わって、昼休み。

 私はいつものように屋上に行く。

 一人でお弁当を食べるんだ。



 屋上に上がると、より一層空がよく見える。

 私はベンチに座って、空を眺めた。


 空にはたくさんの飛行機が飛んでいる。

 あの飛行機達は、どこへ行くのだろう。

 誰が乗って、何をしに行くのかな?


 飛行機について考えると、とてもワクワクする。


「あの飛行機、ひこうき雲がすごく出てるね」


 突然、隣に声がした。

 私は驚いて、横を見ると、そこには、私のクラスメイトの男の子が座っていた。


 彼は私と同じく、空を見上げていた。

 彼は私に笑顔で話しかけてきた。


「あ、こんにちは。あなたは……」


 私は彼の名前を思い出そうとしたけど、全然出てこない。

 クラスの中では目立たない方だった。


 顔だけは知っている。

 彼は空手部に入っていて、強いらしい。

 それで、数学が得意で、テストでいつも高得点を取っている。

 優しく話してるところと見るし、誰とでも仲良くなれる人だって思うよ。


 名前が思い出せないけれども。

 彼は、私のことを知っているのだろうか。


「松本さんだよね。良く飛行機を見上げてるよね?」

「あ、はい。そうです。私の事知ってるの?」


 私は名前も知らないっていうのに。

 まずは、名前を確認しないと……。


「あの、ごめん。名前なんだっけ……」


 彼は、ニコッと笑って空を見上げた。


「僕の名前なんて覚えなくていいよ。飛行機の話しよう? ‌君も飛行機が好きそうだから」


 彼は、私よりも飛行機が好きなんだろう。

 私と話しながらでも、飛行機の写真を撮ったりしていた。


「ええ、そうです。私も飛行機が大好きです」


 実は誰にも言ってない、私の趣味。

 それを、彼に正直に言った。

 私は飛行機が好きだということを隠さなかった。


 満足そうな顔をして、相変わらず空を眺め続けるけていた。


「僕もさ、飛行機が好きなんだ。飛行機ってすごいよね。飛行機について色々知りたいんだ」


 彼は私に言った。彼は私と同じく、飛行機が好きだということを隠さなかった。


「本当ですか? ‌私も飛行機について色々知りたいです」


 私は彼に言った。私は彼と同じく、飛行機について色々知りたいと思った。


「じゃあ、一緒に飛行機について話そうよ。君は飛行機について何が知りたい?」


 彼は私に提案をした。彼は私に友好的に話しかけてきた。


「えっ、私は……」


 私は彼に答えようとした。

 私は彼に笑顔で言った。


「飛行機ってカッコイイから。私は大好きだよ」

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