私は、音に敏感な方だ。

 音って集中して聞くことで、大体のことが分かったりすると思うんだ。

 実はそこに、色んな情報が入ったりする。

 何が起こってるか分かったり、感情が込められていると思う。

 音には、色々な物語が隠されていると思うの。



 授業中は静かなはずなのに、私には色々な音が聞こえてくるんだよ。

 私は、その音に耳を傾ける。


 鉛筆で、ノートの上に文字を書く音。

 シュシュッとした乾いた音。


 みんなが一斉に書いているから、シュシュッとした音が四方八方から聞こえる。


 ――シュシュシュシュ。


 こういう音も楽しいよね。

 鉛筆の硬さで音が違ったりもするし。

 書く早さもみんな違う。



 先生が、チョークで黒板に書く音。


 ――カッカッカッ。



 間違えたらしくて、黒板消しで文字を消す音。


 ――シュー。



 耳をすませば聞こえる音。

 先生の体で、黒板消し自体は見えいけれど、考えたら、頭の中に見えてくる。


 ――シュ。


 これは、消しゴムでノートをこする音。

 先生が間違えたから、みんなも自分のノートの文字を消してるんだよね。



 今度は赤色のチョークに持ち替えて板書する先生。

 そしたら、筆箱を開ける音がチラホラ。


 ――ギギギー。

 ――ジジー。


 赤ペンを取りだして。

 書き終わると、ペンを机に置く音が聞こえる。


 ――カタッ。



 窓の外からは、風の音が聞こえる。


 ――ヒュー。


 小さな砂埃が窓に当たって、コツコツと音がする。

 遊びに行こうって言ってるみたい。

 休み時間はまだなんだよ。

 まだ遊びに行けないんだ。待っててね。



 ――コソコソ。


 隣の席の男の子の声が聞こえる。

 何かあったのかな?



 ――キャッキャッ。


 教室の後ろから女の子の笑い声が聞こえる。

 なんだろなんだろ。

 みんな集中力が無くなってきた時間だからかな。



 黒板の上に付けられた時計から、チクタクと音がなり、私に時間を教えてくれる。

 いつも同じリズムでチクタクチクタク。

 同じリズムだけど、私にはだんだんと楽しいリズムに聞こえてくる。

 そうだね。もうすぐだね。

 休み時間までもう少し。


 ――ガタガタ。


 椅子が動く音。



 ――ギギギー。

 ――ジジー。


 筆箱を開けて、ペンをしまう音。



 ――パタッ。


 ノート、教科書を閉じる音。



 ――カタッ。


 先生がチョークを置く音。



 ――ソワソワ。


 そんな音まで聞こえてくるよ。



 ――キーンコーンカーンコーン。

 ――ガタガタ。


 私は、音に敏感だ。

 音は、私に色々なことを教えてくれる。


 ――タッタッタッ。



 近づいてくる足音。


音羽おとはちゃん、遊ぼう!」

「うん!」


 音って楽しい。

 私は、音って好きだな。

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