タブレット端末
今日は、インターネットリテラシーっていうのを学ぶんだって。
タブレット端末を使って授業をする。
だからなのか、朝からみんなソワソワしていた。
みんなタブレットをいじりたいんだと思う。
普段は使うことは禁止されているからね。
私は、家でも使うことが禁止されているから、なおさら楽しみ。
普段はみんなが触らないようにって、教室の外のロッカーに閉まってある。
「それじゃあ皆さん、タブレット端末を持ってきてください」
「「はーい!」」
男の子達は走って教室の外に出て、ロッカーに閉まってあるタブレット端末を取りに行く。
「走らないで下さい!」
先生が声を上げて注意をするが、男の子達は我先にと教室の外へと走って行った。
男の子って、すぐに夢中になっちゃうところがあるよね。
私や
「男の子って、子供っぽいよね」
「本当そうだよね」
そうやって女の子達は、男の子のことを言うけれども。
ロッカーの前では、男のも女の子も、みんなウキウキとした顔をしてタブレット端末を持っていってる。
まぁ、楽しいものは楽しいよね。
タブレットって。
私も、早く触りたいな。
自然と笑顔になっちゃう。
宮里さん、ああは言ってたけれど、楽しそうな顔してる。
やっぱりそうだよね。
タブレット端末を取って、自分の席へと戻る。
「それでは皆さん、タブレット端末のロックを解除してください」
「「はーい」」
先生がみんなの間を回りながら、ロック解除されたか確認して回っている。
「ところで、宮里さん。暗証番号はいくつかしら?」
先生が宮里さんに何気なく聞いてくる。
「暗証番号ですか? それは、私の誕生日と一緒の番号です。0927です」
宮里さんも何気なく答えてる。
うんうんと先生は頷いてる。
「宮里さんは、今日が誕生日だもんね。給食の時に祝いましょ」
「やった-!」
宮里さんは嬉しそうな声を出した。
「
私の暗証番号は、大好きなキャラクターの誕生日をつけているんだ。
前に同じようなリテラシーの時間に、自分の誕生日は入れないようにって先生が教えてくれていたのを聞いて、変えていたのだ。
これは、恥ずかしいから人には言いたくないなー……。
そう言えば、変えた暗証番号は人に言わないようにっていうのも、先生が教えてくれたし。
それとそれと、人に暗証番号を聞くっていうことも、ダメって教えていた。
なんで先生は暗証番号を聞いてくるんだろう……。
「もしかして、罠……?」
先生は小首をかしげて、こちらの答えを待っているようだった。
和やかな雰囲気を壊してしまうかもしれないけれど、私は思い切って先生へと言った。
「先生、人に暗証番号を聞くのも、教えるのもダメです!」
そう言うと、先生の表情は一瞬固まったが、ニコっとと笑った。
「そうです。よく覚えていましたね、えらいです。タブレット端末を取る時も、はしゃがなかったし」
先生が褒めてくれた。
それが、とても嬉しくかった。
私は胸を張っていった。
「私、タブレット端末が好きだから、ちゃんと使い方を覚えたいって思ったんです!」
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