コンビニ

「いらっしゃいませー」


 コンビニに入ると、いつも元気よくお姉さんが挨拶してくれる。

 多分20歳くらいの若いお姉さん。

 茶髪で、ショートボブが似合ってる。

 小柄な感じで、とっても可愛い。


 レジカウンターの中から、ニコニコと笑顔をこちらに向けてくれる。


優里ゆりちゃんは、今日も1人でお使いかな?」


「そうだよ! ‌お母さんにお使い頼まれたの!」


 私はそう答えると、手に持ったエコバックをお姉さんに見せた。

 そしたら、笑っているお姉さんは目を更に細くして、微笑みながら頷いてくれた。


「優里ちゃん、えらいねー」



 可愛いお姉さんに褒められると、ちょっと恥ずかしい。照れちゃうな……。


 家の近くにあるコンビニだから、数分で着くのだ。道路も広くないし、安全な道だからってよくお母さんにお使いを頼まれる。


 何回も頼まれてるうちに、お使いがいっぱいできるようにって、私が好きな猫のキャラクターのエコバックを買ってくれたのだ。

 私はこのエコバックのことを、とても気に入ってる。

 以前お姉さんに見せた時にも、「可愛い」って褒められたし。

 ……お姉さん、素敵だなぁ。



 お姉さんの笑顔に見惚れてしまってたことに気づいて、我に返って話を続ける。


「そうです今日はですね、明日の朝ごはん用の食パンが無くなったのと、牛乳も切れちゃったっていうので買いに来ました!」


「そうなのね、今日の事だけじゃなくて、明日の準備まで気が回るなんてすごいことだよ? ‌将来が楽しみだ!」


 お姉さんの近くに寄っていたら、確実に頭を撫でてくれそうな雰囲気を出していた。

 お姉さんは、何かと私のことを褒めてくれるのだ。

 優しいなぁ……。



 お姉さんともっとお話したいけど、買い物をしなきゃだね。

 ‌私はお辞儀をして、目的の物を探し始める。

 最初は食パン。



 明るい店内には、コンビニ特有のラジオが流れている。

 流行りのドラマの曲。

 コンビニって、このBGMもいいんだよねー。


 パンの棚に行くと、新作のパンが何種類か増えていた。

 メロン果汁入りのメロンパン。

 もちもち皮のクリームパン。


 ……朝ごはん用にパンを買えばいいはずだから、これにしようかな……。

 よし!



 あと、牛乳はー……。

 冷蔵の所へと向かう。

 そうしたら、すぐにお馴染みのパッケージが見つかった。

 た!いつもの牛乳!

 よーし、これを買っちゃおう!


 牛乳をカゴに入れて、レジの方へと進む。



 レジカウンターの中を見ると、お姉さんと目が合った。

 お姉さんは、ずっとニコニコしてこちらを見ていたようだった。

 気づかなかったけど、そういう所からの優しさが素敵だなぁ。



 レジにカゴを置いてお姉さんに言う。


「お姉さん、これください!」


「はい、いいですよ。お手伝いは、今日の買い物も完璧でしたね! ‌このパンめっちゃ美味しいよ!」



 お姉さんからのお墨付きを貰った。

 それよりも、お姉さんに褒められた事が嬉しかった。


 ‌このコンビニに来ると、とっても元気が出る。

 私は、このコンビニが好きだ。

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