大型スーパー

 今日も、車に乗ってお出かけ。

 お父さんが運転してくれて、私とお母さんは後部座席に乗っている。


 少し窓を開けてるので、風が通り抜けて気持ちがいい。

 信号で止まっても、今の季節は優しい風が吹き込んでくる。

 ご機嫌に運転している父が、バックミラー越しにこちらを見てきた。

 ニコっと笑って話しかけてくる。



「お母さん、何か音楽かけて?」


 お母さんもニコっと笑って答える。

「はーい。DJママーのドライビング音楽いっきまーす」


 お母さんは、両手を使ってスマホを操作すると、車内に爽やかな音楽が流れてきた。



 今日のお出かけは、倉庫みたいな大型スーパーに行く。

 家からは少し遠くてちょっと長旅になるので、音楽をかけながら行くんだ。

 窓が空いてるのに、お父さんとお母さんは気にせず大きい声で歌ってる。


 ……楽しいから、まぁいいか。



 ◇



 スーパーは、一階部分が大きな倉庫みたいになっていて、二階と屋上が駐車場になっている。


 駐車場へ上る坂を上るときは、エンジンがウゥンウゥンとうなる。

 私が重くなったのかな。車さん頑張れ。


 二階部分の駐車場も広いけど、既に全部埋まっちゃってる。

 駐車スペースの上にランプが灯っており『赤』だと駐車中、『緑』だと空いていると知らせてくれるんだけど、全部真っ赤。



「屋上行くよー」

「屋上へゴー!」


 陽気なお父さんとお母さん。

 二人とも、このスーパー好きなんだよね。


 屋上の駐車場もひたすら広い。

 その屋上でさえ満車に近い状態だった。



「ちょっと遠いところだけど良いかな」

「大丈夫!」


 停車した車から降りると、降りた先には海が見える。

 海が近い場所に建てられたスーパーなので、真っ青な水平線が見えるのだ。

 海風も感じられて気持ちがいい。


「よーし! 今日もいっぱい買うぞー!」


 お父さんとお母さんは張り切っている。



 ◇


 お店の中はとても広い。


 会員証を見せて店の中へと入ると、前に来た時には無かった商品が出迎えてくれる。


「なにこれ! キャンプに使えそうな椅子! 素敵!」

「お母さん、良いもの見つけたね!」



 何やら二人でいちゃいちゃと買い物を楽しむのが、常だ。

 楽しそうで良いけども……。


「あ、お父さん、お母さん見て! 前欲しかったチョコレートが安くなってる!」

「「どれどれ」」



 私の指さした方向に、高級チョコレートの箱の山がある。

 山のふもとに、チョコレートの値段がついているのだ。

 お母さんは、チョコレートの山に近づいて値段を確認する。


「良く見つけたね! 萌夏もえか、何箱買おうか?」

 笑いながら考え出すお母さん。


 後ろからお父さんも見に来た。

「お母さん、良く考えてね。 お父さんの分もちゃんと考慮に入れるんだよ?」


 お父さんも乗り気だった。

 二人ともニコニコして。


「じゃあ、一人一箱! 3つ買おう!」



 入り口の時点で、大きなチョコレートの箱を3つ入れて買い物が始まった。


 ここに来ると、お父さんもお母さんも楽しそう。


 私、ここの大型スーパーって大好き。

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