力を求めたその先に

「 」

第1話 この世は、不平等と今更気づいた前編

改稿版

「ふふ」

 俺の名前は明智滅。中学三年生である。

 俺はあと1週間で卒業するのだが、正直に言おう。ものすごく嬉しい。心の底から喜んでいる。

 俺は小学校の頃からずっと虐められている。中学に入っても、だ。

 ここまで言えば勘のいい人ならわかると思うが、虐めから開放されるのである。あと1週間という短い時間を耐えれば。

 高校に入れば、今度こそ、虐められないで友達を作り、そして彼女も。

 そんなことを考えていたら学校に着いた。

 ――キーンコーンカーンコーン

 チャイムがなった。

「うーん……」

 いつも通り虐められた。今日は筆箱をゴミ箱に捨てられたりした。まぁ、いつもの事だ。

 ここで1つの疑問が湧く人もいるだろう。

「なぜ俺が自殺をしないのか」と。

 それは家族のおかげだ。

 俺が虐めを受けている時、毎晩泣いている時に、弟が、

「お兄ちゃん、大好き」

 と言ってくれた。

 その言葉が何よりも響いた。

 そんなこんなで今に至る。

 ――ピコン

 携帯の通知音が鳴った。母さんからだ。

『帰りにいつものスーパーで卵買ってきて』

 そう言われたので卵を買って帰ろうとしたら、カツアゲされている。流石にやばいと思った。

 すると、そこに――

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