おまけ 浮気をなくす薬でザマァします
「出来た! これで世界中の浮気は無くなる」
私、フランは、飲むと双子になる魔法薬、紅茶「ツイン・ズンズン」の開発に成功しました。
私の婚約者である男爵は、私の他に愛する令嬢がいます。
浮気です! 許せるわけがありません。
私は、そのスジでは、天才と言われている令嬢です。
この発明品を使って、断罪します。
◇
男爵と浮気相手の令嬢を、屋敷の庭園でのお茶会に招きました。
男爵は、金髪碧眼、イケメンです。
浮気相手は、ピンクの髪の毛で、肌の露出が多い令嬢です。
私は、銀髪で黒い瞳です。
青空は澄んでおり、作戦の成功を約束してくれます。
「男爵様は、そちらの令嬢と浮気しているのですか?」
単刀直入に問いただします。
男爵は、困った顔をしています。
「浮気なんかじゃありません、真実の愛です!」
令嬢が、割って入りました。
「いつから、そのような関係なのですか?」
「貴女が婚約する前からよ」
「貴女が、私から男爵様を奪ったの!」
令嬢の大きな胸が揺れます。
男爵の好きなタイプの令嬢に、これに、簡単に落ちたのでしょう。
男爵は、この令嬢がいるのに、私に婚約を申し込んだのですね。
「そうですか」
私は、簡単に引き下がります。
(作戦決行です)
「お茶会に招くのは、今日で最後になりそうですね」
「最後に、私の手作りの紅茶を召し上がっていって下さい」
男爵は、素直に飲んでくれました。
「うぅ」
分裂成功です。衣服まで分裂し、双子が出来上がりました。
「「俺が二人になった!」」
男爵二人と、浮気相手が驚きます。
「これで、男爵様は二人で、二人の令嬢を愛せます」
「一人は、私がもらいますよ」
驚いている令嬢に、言い放ちます。
「俺は、フランをとる」
「俺も、フランをとる」
二人になった男爵は、私を取り合い始めました。
「どうなっているの? どちらも、私が好きなの?」
時間で、薬の効果がキレました。男爵が一人に戻ります。
「俺は、フランをとる」
男爵は、一人になっても、取られまいと、私の手を離しません。
「私の勝ちですね」
横で、浮気相手の令嬢が、青ざめています。
「ざまぁ」
(まだ、終わりませんよ)
「フラン嬢、薬の効果を確認しました」
突然、現れたのは、イケメンおじ様です。
私は、男爵の手を振りほどきます。
「伯爵様、お褒め頂き、光栄です」
「貴女は、薬を完成させる約束を守りました」
私は、そのスジでは有名な伯爵と、密約を結んでいたのです。
「私も約束を守ります」
伯爵は、成功報酬としてお願いした約束を、叶えると言います。
「結婚して下さい、フラン嬢」
「はい、うれしいです」
私は、伯爵様の胸に飛び込みます。
男爵と浮気相手が、固まっています。
「まだいたの? クズどもが」
「さっさと出ていきなさい!」
私が、浮気を許すわけ、無いじゃない!
━━ fin ━━
あとがき
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恋に恋する魔法令嬢! 結果が良ければ、失敗とは言わないのです! 甘い秋空 @Amai-Akisora
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