第二部 少女期

第七章 北西山脈

第67話 これまでのあらすじと設定おまけ

あらすじ、物語の舞台の周辺地理、登場人物紹介です。

まとめとおまけ程度のことしか書いてません。読み飛ばしても大丈夫。

小説家になろう版では地図の画像と登場人物の自作イラストをつけていましたが、カクヨムに挿絵機能がないため、地図のみ近況ノートに掲載しています。




◇第六章までのあらすじ


 田舎貴族の娘、ゼニス・エル・フェリクスは転生者。元は32歳社畜喪女、日本人だった。

 前世の記憶が生まれたての赤ん坊に無理やり詰め込まれたせいで、脳みそがバクってイカレポンチ幼女と化していたが、7歳の時に頭を強打。その衝撃で自分が転生者と自覚し、バグは治った。


 その後は中身アラフォー幼女として家業の手伝いをしていたが、害獣が発生。その駆除のため訪れた大貴族の娘、オクタヴィーによって魔法使いの才能を見出される。


 オクタヴィーを魔法の師匠として、ゼニスは首都へと旅立つ。

 魔法学院に入学して、飛び級しながら魔法を学んだ。


 卒業後はドライアイスを生み出す魔法を開発。偶然出来上がった魔法素材「白魔粘土」の効果とあわせて、古代世界に冷蔵の効果をもたらした。

 手始めに冷えた飲み物とかき氷を売り出して成功をおさめる。

 その実績を買われ、大貴族当主の結婚式でデザートを担当することに。

 工夫の末にアイスクリームで絵画アートを作り、評判になる。


 そしてゼニスが属する家門、フェリクス本家では運輸革命と題して、冷蔵運輸が始まった。


 それから3年が経過したところで、第七章は始まる。






+++






◇ユピテル周辺の地理について


・ユピテル共和国


 半島の都市国家からスタートした国。王政を経て共和制になり、街道や上下水道といったインフラ整備を重視した施策などにより、周辺で他の追随を許さない大国になった。

 戦争で勝つ度に植民地を作り、ユピテル市民の入植と現地人の結婚を奨励、生まれた子に市民権を与えて勢力を拡大してきた。

 ここ何十年かは大きな戦争もなく、平和と繁栄を享受している。

 共和国なので国王はおらず、有力貴族で構成された元老院で国政を行っている。


 貴族、騎士階級、平民、奴隷の身分制度が敷かれているが、各身分は流動的で入れ替わりもしばしば。


 ※古代ローマがモデル。


・首都ユピテル


 都市国家時代のユピテルにして、現在の首都。古代世界としては非常に人口が多く、正負両面を抱えている。



・エルシャダイ王国


 一神教を国教とする国。この古代世界で一神教は珍しく、国として信仰しているのはエルシャダイしかない。

 ユピテルの外交方針により、親ユピテル派の現地人を国王に据えている。理由は東の大国アルシャク朝との緩衝地帯にするためと、特異な価値観を持つエルシャダイの民を取り込むのに苦労しそうだったため。


 現在の国王はヨラム二世。ラスの父親。王子が三人と王女が一人いる。



・旧ソルティア


 百年ほど前にユピテルが攻め滅ぼした、かつての大国。南大陸の北部を支配していた。

 南部大陸は北部は緑豊かな肥沃な土地で、穀倉地帯になっている。奴隷を使った大規模農園が数多く運営されている。

 南に下ると砂漠になる。

 ※カルタゴがモデル。



・旧グリア


 数百年前のこの地方の覇者。都市国家が乱立して対立が起こり、衰退した。

 最後に残った王国も約60年前にユピテルに滅ぼされ、グリア地方は属州化された。

 ※ギリシアがモデル。



・アルシャク朝


 東の大国。ユピテルとはにらみ合いが続くが、本格的な戦争はまだない。

 ※パルティアがモデル。



・ノルド地方


 ノルド民族たちが住む、北西の寒冷地。ノルド民族は多くの氏族に分かれて割拠しており、お互いに小競り合いが絶えない。


 ノルド地方でも北に位置するブリタニカ周辺では、過去に魔法文字の遺跡が発掘されていた。

 そのため、魔法にまつわる伝承が多い土地。


 ※ガリア、ケルトがモデル。



・北西山脈


 ユピテルとノルドを区切るように南北に走る大山脈。最大で6000メートル級の山が連なる。

(正式名称は決まらないうちに書き始めてしまいました。バカ!)



・北部森林


 北西山脈の裾野に広がる広大な森。近年になってユピテル人による伐採や開墾が行われているが、未開の地扱いされている。

(正式名称は以下略バカ)



・フリージアン


 北部森林の更に北に住む民族。ノルドの近縁だが一線を画している。

 農耕民族のノルドに対し、フリージアンは狩猟採集と遊牧で生計を立てている。

 非常に好戦的で、いざ戦さとなれば狂ったように戦うため、他の国々に恐れられている。

 過去にはユピテル本土に攻め入った時代もあった。

 ※ゲルマンがモデル。



・テュフォン島


 ユピテル半島のすぐ西にある大きな島。

 かつてはグリアが支配し、次いでソルティアが統治していたが今はユピテルの領土になっている。

 温暖な気候で農作物がよく育つ、穀倉地帯。

 島の中央に大きな火山、テュフォン火山がある。

 ※シチリア島がモデル。







+++







◇登場人物紹介


○ゼニス・エル・フェリクス


 第一章7歳→第六章10歳。第七章開始時13歳。


 本作主人公。転生喪女。

 前世はプログラマでブラック労働に明け暮れており、32歳で不摂生の末に過労死した。

 大人になってもラノベや漫画、ゲーム好きのオタクだった。


 ゼニスになってからもファンタジーへの憧れが強く、魔法使いになると心に決めていた。

 創意工夫が得意だが、頭でっかちの面もあり失敗も少なくない。


 脳内ツッコミがうるさいが、口に出して言うセリフはおとなしめ。

 脳内では時々口が悪い。クソとかよく言う。


 前世はクソコミュ障かつガチ喪女だった。転生後はコミュ障については、だいぶマシになっている。


 前世の家族は両親と姉2人。

 上の姉は手作りコスメが好きで色んな物を作っていた。下の姉は漫画オタクで同人誌を発行したり、コスプレイヤーとして活躍していた。2人共既婚で子持ち。



○ティト・テティス


 ゼニスの実家、エル家に代々仕える使用人の家の娘。ゼニスより4歳年上。


 イカレポンチ時代のゼニスの子守をしていて、非常に苦労した。おかげで性格がちょっと曲がった。

 ゼニスが正気に戻った後も、またポンチ化するのではと長い間疑っていた。

 辛辣な口調をしがちだが、年相応に夢見る乙女な部分もある。



○オクタヴィー・フェリクス


 大貴族フェリクス本家の次女。ゼニスより10歳年上。

 自身の魔力が高いこともあり、不遇な扱いを受ける魔法に可能性を感じて魔法使いになった。

 ただし性質は学者ではなく、経営者や実業家。魔法は追求するものではなく利用するものと考えている。


 わがままでめんどくさがりだが、責任感と野望は強い。兄ティベリウスと仲がよい。



○ティベリウス・フェリクス


 大貴族フェリクス本家の長男。次期当主。ゼニスより17歳年上。

 首都を留守にしている父の代わりに、一通りを取り仕切っている。

 温和な容姿で煙に巻いているが、功名心も野心も強い。


 大人で有能なキャラにしたつもりが、いつの間にか腹黒になっていた。なぜだ。



○ラス


 本名、ランティブロス・ナービィ・エルシャダイ。エルシャダイ王国の第3王子、末っ子。

 ゼニスより3歳年下。


 当初は過度のストレスから虚弱体質だったが、ゼニスに懐いて落ち着いてからは丈夫になった。

 ゼニスを姉のように母親のように慕っている。が、成長とともに心境に微妙な変化が出ている?

(しかしすまないが、ラスは恋愛相手ではないのだ…)



○ヨハネ


 ラスの保護者役でシャダイ教の司祭。最初は幼いラスに厳しくあたっていたが、そのせいで苦しむラスを見て考えを改めた。

 ゼニスより22歳程度年上。登場時30歳前後。



○アレク・エル・フェリクス


 ゼニスの弟。3歳年下。ラスの親友。

 ポンチ時代の姉に萎縮していたが、その後は本来の腕白小僧に成長した。

 王子であるラスの学友役として首都に住むようになった。


 姉がイカレていた頃のことは、もうあまり覚えていない。

 でも決してシスコンにならない辺り、無意識に影響を及ぼしている。



○マルクス・メルディス


 首都で屋台を営んでいた少年。ゼニスより4歳年上。

 愛嬌があって人懐っこい性格のため、屋台時代も周囲に可愛がられていた。

 絵が得意。



○シリウス・アルヴァルディ


 魔法学院創設者である、高名な魔法使いの曾孫。ゼニスより6歳年上。

 ゼニスを上回るクソオブクソコミュ障で、登場時は既に崖っぷちだった。

 ゼニスのカウンセリング(笑)でいくらか考えを改め、ごくごく僅かにマシになった。


 常人離れした集中力を持ち、魔力が高く、魔法文字に造詣が深い。



○ミリィ・ヘルウェ


 ノルド人の両親を持つ、ユピテル生まれの女の子。ゼニスより1歳年上。

 年齢の割にしっかりしており、大好きな人との結婚計画を粛々と進めていた。

 魔力はけっこう高く、魔法使いとして将来有望。



○リウィア・フェリクス


 ティベリウスの妻。運送業の実家で荒くれ者に囲まれて育ったため、武術が得意。

 夫にべた惚れしており、尊さが極まるとしんどくなるという持病を持つ。

 義妹のオクタヴィーとは意外に馬が合うらしい。

 





キャラはあまり増やさないようにしていたのですが、増えてしまいました。けっこうな人数です。

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