それでも俺は夢想したい

遊凪

異世界は おママゴトじゃねぇんだよ

「キャーーーーーー!!!」


痛く刺さる程の高音が俺の耳に刺さる

そこに目を向ければ

トラックがあり

コクリコクリと舟を漕ぎながら運転をする男が見えた


これ間に合わないヤツだ


と悠長に思ってたら

轢かれた





「目じゃめなちゃい・・・異ちぇ界の勇ちゃよ」

舌っ足らずで何とも幼い言葉遣いだ・・・

「うう・・・ここは?ってか人轢いちゃったよーヤバいよー怒られるよー」


って

そっちかよ!!

普通は轢かれた方が転生すんじゃねのーかよ


まぁ

確かに子供が乗るトラックの乗り物に乗った男の子と

女神役の女の子しか居ないから

そうならざるを得ないのかもしれないが・・・解せぬ



今は昼飯時

外回りの営業で立ち寄った普通の公園での事

安月給な俺はパンをかじりながらボーっと休憩していた


目の前には年中?年長?さんくらいの男女が遊んでおり

急に始まった寸劇?

いや

おままごとか

を見ていて思わず心の中でツッコんでしまった


「んとね、異ちぇかいに来たからね怒られないんだよ」

「そっか」


いや

怒られろよソコは(笑)


「勇ちゃは・・・異ちぇ会で何かして?」

「じゃあ女神さまにイタズラする〜」

「ダメ〜女神ちゃまは無敵だからイタズラしたら、ゆう君が痛くなるんです〜」


女神の子よ大雑把過ぎるし

あと

勇者どこいったよ

いや勇者だから勇君か?


「え〜じゃあ勇者辞める〜女神無敵なら女神やる〜」

「女神は女の人しかなれないんです〜だから、ゆう君は勇ちゃしか出来まちぇ〜ん」

「さぁちゃんインチキ〜ズルい〜」



急に破綻したな(笑)

てか

おままごとまで異世界転生とか

こえぇな何か

親はアレか深夜アニメも子供と見るタイプか?

あそこでダベってる茶髪とインナーカラー入れた人が親かな?

だとしたら旦那さんの影響?

まぁどっちでもいいけど

世も末だなぁ・・・



そんな昼下りを過ごし

俺は仕事へと戻った


俺も異世界行きたいなぁと

ちょっと思いながらも開けた会社の扉は

いつもの会社だった・・・解せぬ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

それでも俺は夢想したい 遊凪 @yunaginya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る