間違い電話

桜丸

間違い電話

とある日の朝、男は目覚め、テレビをつけた。

男はソファに横たわり夢うつつにテレビを覗いた。

口寂しくなった男はチーズでも食べようと

冷蔵庫の方へ向かった。しかしその途中、

電話がなるのに気付き、そちらへ体の向きを変えた。

受話器をとると、おそらく20代くらいな口調で

喋りかけてきた。

「ユミコこの前の合コン代払った?」

男は自分で無いことに気付き、

「ユミコじゃないですよ。」とだけ言って、

男はその電話を切った。

するとまた、電話がかかってきた。

「田所様でよろしかったでしょうか。

こちら株式会社アコミなんですが、返済の方を…」

また別人の名前が聞こえた。男は

「田所じゃないです。」とだけ言って電話を切った。

ひとしきり対応しきった男はため息を吐き、

チーズを取りに行った。

テレビからは音が流れ続ける。

‘‘最近流行している「結婚詐欺殺人」

犯人は同一人物であると考えられており…’’

男はチーズをたいらげ、家を出た。

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間違い電話 桜丸 @2010514

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