【捌】You Killed Cock Robin?[状況確認]
†
「いやぁ秀くんの
その
秀三郎が食べ終わるのも待たず秀三郎は自身の部屋に戻り、つらつらと考察を続けていた。心は落ち着かずフラフラとその場で歩き混乱の迷路をひたすら歩んでいるようであった。まさに迷子ならぬ
「いつもの野口君を、親友をこんなにも疑うのは
「第一、
「第二として野口君は非常に正直で、
「第三は果たして
「証拠その1。金六
「証拠その2。
「証拠その3。
「その4。
「その5。非常に遅い野口君の帰宅時間。
「その6。犯人は
「その……いや、もうあるまい。もうなかろう。この6点でも沢山だがこうしてみると、どうも昨夜の恐ろしき殺人犯は我が親友の野口今朝雄であったかもしれない……?
「だが疑いを排除してみれば……事実と証拠が歴然として当て嵌まる……
「が……でも……そ……れとも……ナニ? まさか野口君がどんな
「だが安心できないぞ裁判上で犯罪を証明すべき証拠物件があっても、これを打ち消すに足るだけの
「仮に野口君を恐るべき殺人犯であるのならば、親友としてこの際は潔く自首を勧めるべきであろうか。
「もしくは……情を優先して彼の罪を隠し通し一日でも生きれるように策を講じる方が良い?
「イヤイヤそれは無いだろう。遵法精神の欠片もない。
「……はて、どうしよう。
「…………どうか探偵が来ない内に他から犯人が出てきて捕まってくれればいいが。
「………………いやそれよりもオバさんにどう言ったものだろうか?
「何にしても非常だ、一大事だ、大変だ、実に非常だ。
突然、部屋のドアが開いた。
「おい、秀三郎君。内海秀三郎くーん?」
「はっ!」
驚き振り向くと、今朝雄が呼んでいた。
今朝雄はジャケットを軽く身に付け、
「野口君! 君はどこへ行くんだ?! 君は
「馬鹿なことを言っちゃ困る。ブタではないぞ、俺は。アッハッハ。今年は芽が出てきたから逃げる必要もない。実は、これより一身上の都合で静岡に帰省してこなくちゃいけないから。秀くん、私の留守中、よろしく頼むよ。」
「何が帰省だ! もうその大言や冗談はよしてくれ!」
「なに大言なものか。それじゃあよく結果を見ていたまえ。僕は15日の夜を期して君を驚かせる!」
「この上驚かされて堪るものか……。しかし、
今朝雄をわざとらしく言い淀み。
「昨夜の結果か……。あー、昨夜は……」
秀三郎は次の言葉に緊張し、ピークに達しそうだ。
「昨夜はまず首尾よく仕遂げた」
「エ"!! いよいよそれでヤったのか!? 夢だ……夢になれ……」
「見事にヤっつけたさ! それについて、ますます帰省が必要になったのだから、その詳細は母に聞いてみて。
「オイオイ野口君、マアマア待ってくれたまえ。僕は君に親友の
「別に静岡に足を留めるという訳でもない。たかが1週間ばかりの事だから。別に手紙なんて出さんよ♪」
「手紙なんざァ絶対に出すべきじゃない…………昨夜はいつ何時に潮多家を出た? 何時頃に帰った!?」
「昨夜は新富町を6時40分頃に出た」
「何? 何だ6時40分…………」
その時、空気を読まない隣家の時計が9時を告げた。
そして今朝雄はチョイと会釈をするままに。
「9時30分の急行に行くのだから、遅くなっちゃ大変だ!
言い終わる前に靴を
……彼は本当に人を殺したのか?
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