わが命のともしび

きょうじゅ

本文

「くっくっく」


 少女は突如として、外見に似合わぬ嫣然とした笑みを浮かべ、どこから取り出したのか煙管を咥えて火を附けた。


「残念じゃったの」


 口調が変わっている。


「わしは見た目のような娘ではない……実を言えばそなたの祖母をもわらしと見るほどの年よ」


 だが、嘲るような表情が、次第に奇妙な具合に曇っていく。


「……本当じゃぞ? 信じておらぬのか?」


 そして、その顔に改めて浮かんだ相は、怯えであった。


「なに、信じる? ……なら、なぜそんなに興奮しておるのじゃ……?」

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わが命のともしび きょうじゅ @Fake_Proffesor

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