第130話 冒険者のお仕事

 党都改めシバレル市は、スラム住民以外緊急援助は不要のようだ。


 スラム街で炊き出し、飢えた時に食い物を与えられた恩は効果的、新政権の善政をアピールする意味でも、張り切って団子汁の炊き出しを行った。

 イリスクランのメンバーも助けてくれたが、予想外に役立ってくれたのはサンセット第三中隊のメンバー100人、料理の手際が凄く良い。


 団子汁は、アイテムボックスの干し肉と根菜の汁に、小麦粉団子を押し潰した物を入れ煮込んだ物、寒さ対策に少し塩味を濃いめにした物で、スラム街の住民に好評だった。


 サンセット隊長達第三中隊の手際が凄く良いので、食材を詰めたアイテム袋をサンセット隊長に渡し、炊き出しを丸投げした。




 この国の制度は、上からの命令には絶対的服従が当たり前とされて来たようだ。

 前の支配者の親玉が誰だったのか、最初に竜の餌食になったようで、どんな男もしくは女だったのか、一般住民は名も知らず見た事も無かったとかで、もはや知るすべは無いしどうでも良い事だが、羊の群れの管理体制とするなら画期的な事だと思った。

 真似はしないけどね、その体制だといちいち指示を出す必要がある、僕みたいな丸投げは出来ない体制だ。


 やっとショカツ達がやって来た。

「イリス神様、遅くなって申し訳有りません」

「よく来てくれた、これで炭坑ダンジョンに行ける!

 シバレルの民衆は、悪い意味の羊の群れだ、当分のあいだいちいち指示を出す必要がある、朝晩二度の炊き出しで手懐てなずけたスラム住民の方がある意味役に立つ!上手く使ってやれ!

 後はイッコク司令官が全て知ってくれてる!と言う事で後はショカツ宰相の好きにやってくれ!」




 無責任に丸投げしてやった。




 僕達とイリスクランのメンバー(カスミ含む)とサロメ親娘3人、プラスダンジョン妖精3人の総勢18人は、シバレル炭坑町に到着した。

 元シバレル連邦は、北部全てに広がる広大な国土だ、シバレル市から僕らの速度で走って7日の距離にシバレル炭坑町があった。



 危険なダンジョンと言う事で、炭坑の3割りが封鎖されている。


「イリスクランの諸君!世界の統一は終わった!各地区の大官が僕以上に良い統治をやってくれてる!王の仕事はここまでで全て止め、相談役に徹するつもりだ!

 では諸君!冒険者のお仕事を始めるぞ!」





 ◉◉◉


 イリス君の冒険本編終了です。

 皆さん熱心に読んで下さって有り難う御座いました。

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冒険者のお仕事 犬時保志 @ysxyz

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