第2話

 ジェイソンハウスは意外と近く、徒歩五分ほどで僕たちは到着した。

 倉庫の扉に鍵はかかってなくて電気もついていなかった。


「しー。俺についてこいよ。」

 一人がライトで前方を照らした瞬間、先頭集団がビクッと動揺した。

「おい!びっくりさせんなよ。」

「さーせん。」

「よし、お前が先頭だ。」

「えー」

 ライトを持っていた男が無理やり先頭に立たされた。

「ライト持ってんだから当たり前だろ。」

「はいはい、分かりましたよ。」

 そう言って、三十人ほどの集団で僕らはジェイソンハウスに入った。

「なんだこれ、ブルーシートばっかじゃねえか。」


「ねえ、怖いよぉカズ君。」

「安心しろ俺が守ってやるから。」


 後ろでカップルが騒いでいた。


 この時、この集団の悲惨な運命は確定していた。


 後悔しても遅い、飛び散る血液を見て平和に今頃感謝するだろうな。

 痛いだろうな。苦しいだろうな。死ぬのって怖いんだぜ。


 これから切り飛ばす数々の生首を想像しただけで身震いがした。


 もちろん、その身震いはこれから起こることへの期待による光悦だ。  

 

 息をひそめて独り言を吐く。

「次の獲物が来たみたいだ。それも、たくさん。」


 立てかけてあるチェンソーを横目で確認して、男は変わらず息をひそめた。


 

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