Q2 漫画家、桜井のりおの作品で、三つ子の『みつば』『ふたば』『ひとは』を主人公とするギャグマンガは何?

Q2 漫画家、桜井のりおの作品で、三つ子の『みつば』『ふたば』『ひとは』を主人公とするギャグマンガは何? 1

【ラウンド8終了。休憩時間とします】


 オラクルのアナウンスで、時間の経過を初めて意識した。

 僕と、ミラとマイカは生き残った。だが、ラウンドごとに必ず1人以上の死者が出て、僕たちの人数は15人にまで減っていた。


「や、やっと一巡終わったな……」

「そうだね、なんとか……」

 ミラと僕はため息をついた。『アンサー』と『テレパス』の組み合わせは、予想通りかなり強かったのだが――。


【問題。将棋や囲碁などで】

(答えは……待った)

(え、何?)

【相手が手を指してから】

(だから、「待った」だって!)

(待ってるじゃん!)

【自分の手のやり直しを要求することをなんという?】

(ミラ、押して!答えは「待った」だ!)

(だから、押していいの?!ダメなの?!)

【……正解は、「待った」】

(……「待った」が答えだったのか!)

(だからそう言ってたじゃん……)


 ――連携については万全とはいかず、予想より苦労させられた。

 頭をつかいすぎてぐったりしているミラの横で、マイカはまだ涙が止まらないでいる。


「わっ、私っ、クイズなんてぜんぜんできないのにっ……あの人達、なんでっ……」


 マイカが参加したラウンド4は特にひどかった。他の2人の参加者が互いに能力を指摘しあい、どちらも外して死んだのだ。マイカの眼の前で、2人の頭が破裂したのだから、かなりキツかっただろう。

 他の参加者たちも、かなりまいっているようだった。


「まだ『アンサー』はみつかんねぇのかよっ!!」

 太った男がいらだたしげに大声を上げる。

「リリ、わたし怖いよ……」

「ララ、だいじょうぶ。ふたりならきっと」

 年端もいかない双子が、寄り添って慰めあっている。


 その中にあって、異様な雰囲気になっている一団があった。


「Qさん!俺に早押しの秘訣おしえてくださいよ!」

「うーん、まだ早いかな!クイズに慣れてからじゃないと、付け焼き刃じゃ勝てないよ?」

「ねえ、わたしにも教えて?Qくんの言う事なら何でも聞くから!」

「ホント?じゃあ能力教えてもらおうかなー」

「な、なあ俺の能力、どう使えばいいのかなあ?!」

「うんうん、いっしょに考えよう!きっとうまい使い道が見つかるよ!」


 ここまでのラウンドで圧倒的なクイズ力を見せつけたQのもとに、数人の男女が集まり、彼を取り囲んでいた。Qはその中心で、にこにこと変わらない笑みを浮かべ続けている。Qはタレントとしても活動していたらしく、参加者にも知っている人が多かったようだ。早押しクイズの技能と、東大卒の頭脳。どちらも、他の参加者が頼りたがるのに十分な要素だ。

「あいつら、能力教えあってるっぽいけど、大丈夫なのか?」

 ミラはQたちを睨んでいる。

「参加者同士は知らないけど、Qに教える分には安全だと思う。だって、クイズやってれば勝てるんだから、わざわざ指摘のリスクを負う必要がない」

「そりゃそうか……クソっ、上位互換じゃねえか」

 僕は『アンサー』を使ってクイズに正解しているが、Qは能力なしでクイズに正解しつづけている。同じ結果が出るなら、バレる心配のないQのほうが、僕の上位互換といえる。最終的には、僕らはQを攻略しないといけないが、Qのほうは能力を見せる必要もないのだ。攻守ともに、隙がない。

「Qだって参加者だ、あの中のどれかの能力は持っているはずなんだ」

 僕はずいぶん開示の多くなった能力表を見上げた。


Answer:クイズの答えがわかる。

BAN:指定した参加者の能力を一定時間無効にする。

Counter:他の参加者がボタンを押す行動を予知し、その前にボタンを押すことができる。

Detective:クイズや能力に関する情報以外を、任意に聞き出すことができる。

Erase:クイズの問題文や選択肢の一部を非表示にできる。

Fifty-Fifty:クイズを2択扱いで回答できる。

Genre:問題の出題ジャンルを変更できる。

Holoscope:ラウンドに1回、参加者のうち一人の能力を知ることができる。

Immortal:指摘によって死なない。

Judge:能力の処理やクイズの詳細なルールについて、正確な情報を得ることができる。

Knight:ラウンド不参加時、参加者一人を選び、死亡しないようにできる。

Loop:死亡したとき、クイズをやり直すことができる。


「……こんだけ多いと、何がなにやらだな。あたしもマイカみてーに能力バトルマンガとか読んどくべきだったよ。スマホがありゃすぐに読めたんだろうけどな」

 ミラが力なく笑った。見たことのない表情だ。


【ラウンド9を開始します。解答者は前へ】


 休憩はそう長くはなかった。またクイズが始まる。参加者たちの間でうめき声が響いた。楽しそうにしているのはQだけだ。


【参加者は、芦田エイ、桔梗ユカリ、須藤ヤスミ】


 僕の番がまた回ってきた。僕はミラに頷き、いちおう『テレパス』の回線をつなぐ。


「あーあ、もうウチの番っすか」

 もじゃもじゃ頭の小柄な女性は桔梗ユカリだ。身長が低く、野暮ったいメガネをかけている。年齢不詳な感じだ。

「Qくん!ねえわたしこのままだと死んじゃうっ!!助けてよお!」

 もう一人、須藤ヤスミは、どこかの企業の制服を着た女性で、いかにもOLという出で立ちだった。おそらくQより年上なのだろうが、彼女は終始Qに泣きついていた。


【汀マイカ】


「ゔえ!?」

 突然名前を呼ばれたマイカが、素っ頓狂な声をあげる。

 今まで呼ばれることのなかった4人目の名前。参加者たちの間に動揺が広がる。


【このラウンドは2対2で行います。「芦田エイ・汀マイカ

」ペア対、「桔梗ユカリ、須藤ヤスミ」ペア。合計得点が低いほうのチーム2人に、デスペナルティが課せられます】


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る