もりの前「い」でなく「や」でもすーいすい

 「🐍ヘビがまたタマを噛んだ」事件の報道があってから、今まで以上にトイレ兼バスルームの利用の際に警戒するようになった。毎回、床はもちろん便器🚽の中も覗き込んでから用を足している。


 ある日、それらの確認後ふと視線を上げると天井近くにソレがいた。


 学名Gekkoゲッコー gecko ゲッコー、タイ語ではトッケーと呼ばれるオオヤモリである。


 この個体、大きさからみて、おそらく何度か被写体になってもらったウチに居着いているものだ。まったくどこから入り込んで来たものだか。


 ワタクシ個人はヘビではなく、オオヤモリ相手なら、タマもまれることはないであろうから、裸体をさらしても一向にかまわない。


 だが、家人はそうもいかない。


 小さなホオグロヤモリを室内で見かけただけで怖がってギャアギャア騒ぎたてるのだ。


 ここはワタクシ自身が昆虫採集に使う捕虫網を持って捕獲だっ! 


 失敗ミス! 


 オオヤモリが網を逃れて落下する。


 それもワタクシの腕の上に。


 おおっと驚き手を振れば、オオヤモリはジャンプしてさらに落下。行水用のタライに着水した。


 おいおい、大丈夫か?


 水の中にいて井戸を守っているのが井守いもりで、家の中にいて家を守っている方が家守やもりのはず。水が得意なのは爬虫類のヤモリではなくて両生類のイモリの方だ。


 溺れやしないかと心配したが杞憂だった。


 四肢をすぼめて胴体にピタッとつけて、頭をもたげてヘビように身体をくねらせてスイスイと泳ぐではないか! ワタクシは在タイ四半世紀で初めて、オオヤモリが泳ぐさまを初めて見た!





もりの前「い」でなく「や」でもすーいすい





 とはいえこのままバスルームに居座らせるわけにもいかない。洗面器ですくってコンビニの丼ものの蓋を使って身柄を確保して、屋外にリリースした。


 なんで直接素手で捕まえなかったのかって?


 そりゃあ、オオヤモリが泳げるとわかったからねえ。みてないところで便器🚽で泳いでいたり、ヘビのように浄化槽から侵入してるかもしれないじゃないか!


 えんがちょである。


 たとえ素手で掴まなかったにしても、ワタクシはゴシゴシといつも以上に念を入れて手を洗うのであった。


 洗面器入りのオオヤモリの写真はこちら。見た限りではウンチ💩はついていなかったような気がする。


https://kakuyomu.jp/users/TokiYorinori/news/16818093084815034130



 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る