温もりを求め、隙間詰めるのアリ?

 熱帯の冬は時として日本以上に寒い。そんなバカなと言われようが事実だ。


 今いるところに寒波が襲って最低気温が15℃を切ったり、大寒波の場合、最低気温が10℃を切ったりしたこともあった。数字上は日本の寒さほどではない。でも、日本の冬よりも寒い。ナゼか?


 それは、熱帯であるこの国には暖房器具がほぼ存在しないからだ。


 エアコンといっても冷房のみ。ただのクーラーだ。カーエアコンも普通は冷房しかついていない。暖房が付いている車は非常に少ない。


 石油ストーブや石油ファンヒーターは? あるはずない。ガソリンスタンドでも灯油は売っていない。灯油はキャンプ用品売り場で灯火用の、ランプの燃料として売られている。


 輸入物の電気ストーブや電気ファンヒーターならばあるとしたのはこの目で見た事がないので。こちらでは、そう必要となるものではないので家電販売店も在庫はあまり持たない。当然だが数年に一度の寒波が来た場合は、僅少な在庫があっという間に売り切れる。もちろんワタシは持っていない。


 というわけで暖房なしの15℃以下、10℃以下はとても辛いのだ。


 では、ワタシは寒波をどう耐えていたか。これはもう、モッコモコに厚着をして温かい飲み物を飲んで耐えるか、焚き火に当たるしかない。


 その夜、ワタシはうちに籠り着膨れて、熱いコーヒーを飲もうとしていた。そこで異常に気づいた。







⚠️この先閲覧注意⚠️









 コーヒーにアリが浮いていた。


 電気ポットの中にアリが紛れていたのだ。コーヒーを捨てて、お湯だけ出す。やはりアリが浮く。何回やってもアリが浮いている。キリがない。


 電気ポットの蓋を開ける。かなりの量のアリの群れがそこにいた。やれやれだ。


 妙なところからアリがポットの蓋の内側に出入りするのに気づく。ワタシはドライバーを使ってポットの蓋を分解した。

 

「ウワーッ!」


 ワタシは絶叫した。電気ポットの蓋のエアーポンプの中にアリがうじゃうじゃと密集していた。ご丁寧に卵まで持ち込んでいる。そこは完全にアリのコロニーと化していた。しかも暖房完備だぜコンチクショー!


 屋内でアリの群れを解放するわけにもいかないので、ワタシは泣く泣く寒い屋外で、冷たい水でアリを洗い流して駆除したのだった。






温もりを求め、隙間詰めるのアリ?


 電気ポットの隙間を詰めるのはナシでお願いしたい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る