おらが町 重力異常地帯かな?

おらが町 重力異常地帯かな?


 わたしが住む国の人々は、はっきりってお片付けが下手である。何かを始めるときに設置したものは、特に困らない限り片付けない。出しっぱなしである。


 一例を挙げると、サンタクロース🎅やクリスマスツリー🎄などのディスプレイは年が明けても片付けられない。1月も10日過ぎ位まで出しっぱなしだ。サンタクロースたちを世界で最も長時間こき使っている疑惑がある。「ハッピーニューイヤー」とか書いたキラキラする飾りも、旧正月が過ぎてもまだ貼ってある。下手すると、年中貼ったままだ。


 そして、電線のお片付けも下手で実に見苦しい。


 新しい電線、電話線、光ケーブルが設置される一方で古い電線や電話線、光ケーブルもそのまま残されているようだ。新しいのを設置する業務と古いのを回収する業務は全く別なのだろう。古い電線はそのままで新しい電線がどんどん追加されて電線がどんどん増殖していく。


 都市部ではそれが酷すぎる。電柱には数十本の電線に加えて使われなくなった所属不明の電線が輪の形に束ねていくつも括り付けられている。例えるなら、女性が洗髪した後のお風呂場の排水口にぐちゃぐちゃひっかかっている長い髪の毛だ。それも『リング』の「貞子」嬢の抜け毛にサ▽エさんのパーマのかかった抜け毛を加えた状態だ。


 そんな電線を支える電柱はつるつるとした円柱ではなく、日本のものよりも随分と細くざらざらとしたコンクリート製の四角い柱だ。はっきり言って貧弱だ。


 そんな電柱が並んでいる様子を見るとあることに気づく。電柱の角度がおかしい。不要な電線が重過ぎるからか、それとも地盤が緩いからかはわからないが、坂道でもないのに地面に対して垂直になってない電柱があちこちに立っている! 電柱って垂直に立てなくていいのか? あれではピサの斜塔かピンチ状態の棒倒しだ。大丈夫なのか? 正直言って、ヤシの木の方がまっすぐ生えてるぞ。


 勝手な角度で立っている電柱を眺めていると不安になるが、その割にはそのまま倒れたと言う話は聞かない。


 はっ!


 ひょっとすると、この街は重力異常地帯で、実はそれぞれの電柱も重力方向に沿ってきちんとまっすぐに立っているのか! 


 だったらすごいぜ!


 カオスな電線の写真はこちらの近況ノートにて。

https://kakuyomu.jp/users/TokiYorinori/news/16817330660442347550

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