関係の修正

まさかあの手紙は空さんからのものだったのか、俺ってもしかして今が人生最大のモテ期なのではないだろうか?だが特に嬉しくもなくない。美少女にモテるのはとても嬉しいが何かが違う気がする。


「おーーい!迎えにきたよーー!!」


「・・・」


優雨の後ろには空さんがいた。あ、今フラッシュで俺のことを撮ったな。彼女は満足そうな表情で撮った写真を見ている。顔を赤くして笑顔になっている女の子は可愛いと思うがその行動が残念でプラマイ0である。


俺はもう気にしないことにした、俺の彼女は優雨だけなのだから。他の女の子のことを考えていると優雨が嫉妬しそうだから優雨のかわいいポイントを考えながら登校する。


「ねねね、今日は付き合って一ヶ月だよね!だから今日は拓人の家でお祝いしない?」


「いいね、それじゃあ帰りにケーキでも買っていくか!」


「そうだね〜ふふ、楽しみだな〜」


側から見ればもうバカップルと言われてもおかしくない距離間である。後ろをちらっと見てみると空さんは真顔でこっちを見ていた、目のハイライトがグッバイしていた。何かボソボソと聞こえるが怖いので聞こえないふりをしておこう。


「おはよー!どーん!」


「うお!?」


空さんはいきなりハイライトを取り戻して俺と優雨の間に入り俺の腕に引っ付いてきた。


「ちょっとなにしてんの!?私の彼氏なんですけど!?」


「彼氏〜?私は知っているんですよ〜?二人は恋人のふりをしていることを〜?」


まずい。一番バレてはいけないやつにバレていた。こんな時はどうするんだ!?俺の大先生であるラノベ先生にアドバイスをもらう。なになに?彼女を自分の方へと寄せてキスしちゃおう!・・・できるかぁぁ!!!


「こ、恋人ごっこって何?本当に私達付き合ってるんだけど・・・?」


「それならここで証明してください。できますよね?」


もう素直に話すか・・・流石にここでなにかしたらコイツも嫌がるだろうし・・・


「いいわよ!!やってやろうじゃないの!!」


嫌がっているどころかやる気満々である。ほんとに一ヶ月前のコイツがどんな感じだったのか全然思い出せない。彼女はやる気になっているが俺はまだ心の準備ができていない。


「あ、あの・・・俺はまだ心の準備が・・・」


「・・・」


彼女は目を閉じて俺のことを待っている。そうだよ、ここでやらなきゃ男じゃねえ。やるんだ今やるんだ。俺が職員室が平和になるために!


俺はそっと彼女の方に・・・


「だ、だめーーーっ!!!!」


重ねようとしたときに空さんが割り込んできた。


「なんで本当にしようとするの!?初めては私からでしょ!?」


「何言ってるのかな君は?あと証明白って言ったの君だよね?」


「ふん!これも全部幼馴染補正だよ!最初は私その次も私ずっと私よ!」


ちょっとシリアスみたいな展開になったと思ったらまたいつものこれじゃねえか!


「なあ、優雨」


「どうしたの拓人」


「恋人のフリはもうやめないか?」


「「え」」


二人は息ぴったりに『え』を言った。だが表情は一人は歓喜にもう一人は絶望に染まっている。


「だってずっとは続けてはいられないだろ?だからさ」


「・・・うん」


「フリじゃなくて本物に修正したいんだが」


「「え」」


またもや『え』が揃った。今度の表情は逆転していた。


「・・・」


「ほ、本当に・・・?」


「ああ、この一ヶ月やってきて優雨と同じ人生歩んでいきたいんだ。だって俺は君―――優雨のことが好きだからさ」


「た、拓人ぉ・・・!!」


本物の彼女は俺の胸に飛び込んできた。瞳からは涙が溢れていたがその表情は幸せそうに微笑んでいた。


ーーーーー


その後空さんは素直に俺たちが付き合ったことを祝ってくれた。


「優雨さんが嫌になったら私を頼ってくださいね!ぜひ一緒に浮気しましょうね!」


「しねえよ」


「冗談ですよ・・・はあ」


彼女は笑顔でそんなことを言ってくれたがまだ辛そうだ。


「ゴメンな・・・」


「いえいえ、私はあんな犯罪みたいなことしたのに優雨さんじゃなくて私を選んでいたらドン引きしてましたよ」


「ははは・・・」


あの行動がなかったら本当に惚れていたかもしれないが。まあそんなことは今の俺にはどうでもいいのだがな。


「ありがとうな、空さん」


「私は何もしていませんよ、ただ職員室に手紙を送っただけですから!」


あ と が き

作者です。一応完結となります。ここまで読んでいただきありがとうございました!来週はお休みさせていただきますが再来週には投稿いたしますのでお楽しみに!

それでは!


作者

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幼馴染と学校一の美少女は俺を物理的に取り合う 御霊 @Alps2324

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