このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(1927文字)
「ナツはわたしがまもるから」 そう言ってくれたハルを、私は殺した――。桜の夢とともに現れるハル。五年ぶりにアメリカから戻ったナツは、この街でのことをあまり覚えていない。ただ、ハルのことだけは覚えていた。なぜ記憶を失っているのか。なぜナツはハルを殺したのか。読み進める度に、悲しく残酷で、そして優しい真実に、あなたは少しずつ気づくでしょう。