ep.3 おめでとうございます!『殺気立った女の子』を召喚しました!
前回までのあらすじ!
『友達ができる』という黒魔術を使った僕・
儀式のすべてを終えた瞬間、魔法陣が光り輝いた!
おぉっ、これは成功か!?
と思ったら、中心に人が倒れてる!
えっ、これ『友達が
しかし!混乱する間もなく倒れてた人(めたくそ可愛い女の子だった)は剣の切っ先を僕に突きつける!
死の恐怖に思わず走馬灯を見る僕。ついでに二回ほど絶叫する僕!
一体どうする!?どうなる!?
…………………………と、ガラにもなく陽キャな回想をしてしまうくらいには混乱している僕こと
あの某大ヒット感動的鬼退治マンガから引用すれば、走馬灯というのは死の危機を回避するすべを今までの経験から探しているとかなんとからしいが、僕の場合、大した策とかは見つからず。
そのかわり、同年代の女子にビビって震え上がる僕という非っっっ常にカッコ悪い図が出来上がってしまっていた。
「……………おい、貴様は耳が聞こえないのか」
思考に沈んでいた僕に突然浴びせかけられた
やばいこれ死ぬ殺される――――――!!
お、落ち着け僕、冷静になれ僕!大丈夫、相手は僕の話を聞く気があるんだ、早くなにか言わないと、とにかく何か言わないと、マジで生死に関わる!
「あっ、え、えと…………」
「『えと…………』何だ?早く言え」
その可愛い顔からは想像もつかないドスの利いた声で促され、僕は肺を鷲掴みにされたような気分になった。
こっっっわ!!よく女子怖いって言うけどこんな物理的に怖い女子初めて見たぞ!?
えっと、何
――――――ポタッ、ポタ、ポタッ…………
「っ、え?」
なにか、液体がたれるような音が聞こえてきて初めて、僕は彼女が怪我をしていることに気がついた。
しかも一つや二つではない。
「け、怪我っ!」
「は?」
僕は反射的に叫んでいた。女の子が一瞬、虚を突かれたような表情になる。
「君、怪我してるじゃないか!あの、早く、手当しないと………!」
僕が必死になって言うと、彼女はなぜかすぐに眉間のシワを深め、低く唸るような声(怖い)を出した。
「怪我などどうでもいい。重要なのは先程私が貴様にした質問だ」
「しつ、もん」
やべ、どうしよう急すぎて何も聞いてなかった……………
「…………チッ。いいか、もう一度問う。此処は何処だ?貴様は誰だ?私はなぜ此処にいる?」
「え、えっと、ここは日本、で僕の家だ!僕は悠莉、柊樹悠莉で…………君は、僕が黒魔術?を使ったら現れたんだ。なんでかは分からない!」
「分からない?おい貴様、今、分からないと言ったか?」
彼女はますます眉間のシワを深めた。
……………視線がっ、怖いぃ………………
しかし、いくら怖いからと言って、怪我した女の子相手にビビってはいられない。さっきの二の舞いになってたまるか!
強い覚悟を込めて、体を支える手をぎゅっと握りしめる。
お、男は度胸だって誰かも言ってたし!がんばれ僕!!
ゴクリとつばを飲み込み、恐怖にカラカラの喉を潤す。
射抜くような翠の瞳をキッと見つめ返して、僕は口を開いた。
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