ep.1 少女との邂逅。& どーしてこーなったぁああぁぁっ!

 僕の目の前には少女がいた。


 とても……………とても美しい少女だ。



 色素の薄い髪は、部屋の照明に照らされて金色にも見え。


 一目で日本人ではないと分かる顔立ちはまるで、彫刻なのではないかというほど整っている。


 長いまつげに縁取られたみどりの瞳はまっすぐに僕を捉えて、離さない。



 こんな美少女に見つめられ続けたら、普通の男子ならば6秒で恋に落ちるだろう。







 実際、僕の心臓はうるさいくらいに早鐘を打っていた。


 ……………………彼女の美しさにやられたわけではないが。



「おい、貴様」



 小さな桜色の唇から言葉が紡がれると同時に、首筋にひやりとした『何か』があたる。



此処ここ何処どこだ?貴様は誰だ?私は何故なぜ此処ここにいる?……………答えろ」



 僕の首にあたっていた、いやのは、刀身がむき出しの洋刀サーベルだった。


 目の前の少女の瞳は、僕を捉えて離さない。

 そう、まるで……………獲物を見つめる狩人のように。


 彼女は、洋刀を握る手に更に力を加える。そのせいで、僕の首筋の皮膚が薄く切れ、ツゥ…………と温かいものが伝った。



「さもなくば……………………………」



 襲ってきた『死』の予感に一気に血の気が引いた。

 だが、彼女はそんな事をなど意にも介さず、明確な敵意、いや殺意を持ってして、その言葉を紡ぐ。




「貴様を、殺す」




 馬鹿な学生たちが遊びで言っているのとは違う。気迫と、威圧と、殺意のこもった絶対の一言。


 心臓が、うるさい。あまりの恐怖に目をそらせない。もし目をそらせばそれだけで死ぬ。そんな気がしてならない。


 予想外すぎる展開に、僕はもう叫び出したい気分だった…………っていうか、心の中でもう叫んでいた。



 どぉぉぉぉおおぉぉしてこうなったぁぁぁあぁ―――――――っ!?

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